荒天の波乱のレースは名取がアレジとの戦いを制し今季5勝目 - superformula lights

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荒天の波乱のレースは名取がアレジとの戦いを制し今季5勝目

2021/05/16

第8戦のリスタートの様子第8戦のリスタートの様子

 第7戦が開催された5月15日(土)から天候が不順だった大分県日田市のオートポリス。迎えた5月16日(日)は午前8時25分からBuzz presents 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第8戦が予定されていたが、早朝からオートポリスは濃い霧に包まれており、午前7時40分、大会審査委員会は30分間のディレイを決定した。

 風があるため霧は流れており、時折視界が良好になるもののすぐに霧がかかるような状況で、ディレイはさらに30分間延長。その後度重なるディレイの末にエントラントミーティングが行われ、午前10時10分時点で午後零時30分から予定されていた第9戦は中止に。午後零時25分から第8戦が行われることになった。

 この第8戦は、ポールポジションは佐藤蓮(TODA FIGHTEX)が獲得。名取鉄平(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が2番手に。3番手には第7戦を制した三宅淳詞(MAX RACING 320)がつけ、4番手にスーパーフォーミュラでポールポジションを得たジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM'S 320)がつけた。

スターティンググリッドの様子スターティンググリッドの様子

■レースはセーフティカースタートに

 午後零時ごろには強い風もあり、霧が晴れていたオートポリスだったが、グリッドへの試走が始まる5分ほど前から再び霧が立ちこめ、時折風に乗って雨粒が注ぐ状況となっていた。そのため第8戦もセーフティカー先導でのスタートとなった。

 そんななか、ポールポジションの佐藤、3番手の三宅はスリックタイヤを履きセーフティカーランへ。戦略が分かれ興味深いところではあったが、コース上の一部は変わらず霧がかかっている状況。セーフティカーランが続く間にも天候は刻々と変化し、3周目には今度は雨が注ぎはじめることに。3番手を走っていた三宅はその状況を見てピットインし、レインタイヤに交換した。

 雨はその後、セーフティカーラン4周目には叩きつけるような勢いとなる。すぐに止んだものの、セクターによって1周ごとに視界が変わったりと、難しいコンディションが続いた。視界がクリアになった9周目、いよいよリスタートが切られた。

レースはセーフティカー先導でスタートが切られた。レースはセーフティカー先導でスタートが切られた。

■雨中のなかで2周のマッチレース

 リスタートの時点では完全にウエットコンディションで、スリックを履く佐藤に2番手スタートの名取、3番手スタートのアレジが襲いかかる。アレジは佐藤をかわすと、わずかに名取のインを突いたかと思われたが、「僕は毎周ウォームアップをしていたので、それが大きかったかもしれません」という名取がアウトからトップを守り、名取、アレジというオーダーとなる。これに河野駿佑(RS FINE K&N 320)、野中誠太(Kuo カローラ中京 TOM'S 320)、平良響(Kuo カローラ中京 TOM'S 320)が続いた。

 このリスタートの時点で、30分間の最大延長時間は残りわずか。10周目がファイナルラップとなったが、レースは名取とアレジのマッチレースとなっていく。最終コーナーまでアレジは名取のインをうかがう走りをみせたが、名取が最後までトップを守りきり、波乱のレースで今季5勝目を飾ることになった。

 3位争いは、野中をかわした平良がファイナルラップに河野の背後までつけるものの、河野が0.270秒差で表彰台圏内を守り切った。4位は平良、5位は野中という結果に。6位はタイヤ交換後最後尾から追い上げた三宅となった。

 マスタークラスは、スリックでスタートした今田がスピンを喫したこともあり、9位でチェッカーを受けたSYUJI(B-MAX ENGINEERING 320)が優勝を飾った。