第11戦はトップ3にペナルティの波乱。小出峻が初優勝 - superformula lights

TOPICS

第11戦はトップ3にペナルティの波乱。小出峻が初優勝

2023/07/16

小出峻(HFDP WITH TODA RACING)小出峻(HFDP WITH TODA RACING)

 エンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京 TOM'S 320)がポール・トゥ・ウインを飾った第10戦が行われた7月15日(土)の翌日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第4大会は静岡県の富士スピードウェイで第11戦/第12戦の決勝レースが開催される7月16日(日)を迎えた。

 7月15日(土)に行われた第11戦の公式予選では、第10戦の予選でタイムを伸ばしきれなかったランキング首位の平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、2位の木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)がきっちり修正を行いタイムアップ。平良が1分34秒103を記録しポールポジションを獲得、木村が1分34秒159で2番手につけた。

 3番手につけたのは小出峻(HFDP WITH TODA RACING)で、第10戦でも2位表彰台を獲得した堤優威(Rn-sports F320)が4番手に。第10戦ウイナーのトゥルーリは5番手からスタートする。なおマスタークラスは今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が11番手につけていたが、エンジン交換を行ったため5グリッド降格のペナルティが課されている。

第11戦 スタート第11戦 スタート

■スタートから2台ずつの上位争いに

 午前8時20分から行われた第11戦は、曇天のもと迎えた。スタートでは、フロントロウの平良と木村が好発進。TGRコーナーからコカ・コーラ・コーナーまで2台は熾烈なバトルを展開するが、平良がトップを死守。さらにスタートを決めたトゥルーリが堤、小出との3ワイドの攻防を制し3番手につける。

 一方、その後方では堤のペースが上がらず、1周目のダンロップコーナーでは小出が堤をかわし3番手に。さらに2周目にはデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)にかわされるなど、堤は序盤大きくポジションを下げてしまった。

 3周目になると少しずつオーダーが落ち着いてくるが、平良と木村によるトップ争い、トゥルーリと小出の3番手争い、さらにビダーレスと古谷の5番手争いと、2台ずつのバトルが展開されていった。

 2台ずつのバトルはレース中盤まで膠着状態となるが、7周目、TGRコーナーのブレーキングでビダーレスと古谷が接触してしまう。左フロントのアームを痛めた古谷はTGRコーナー立ち上がりで車両を止めてしまった。

 さらに、9周目にはトップを争う平良と木村が接近。にわかに首位争いが緊迫し始めた。

平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)

■白熱の首位争いは木村に軍配

 10周目、2番手を走っていた木村がついにTGRコーナーで平良のインを突く。ただ平良はトップを譲るまいと、コカ・コーラ・コーナーからアドバンコーナーに至るまでサイド・バイ・サイドのバトルを展開。今季のスーパーフォーミュラ・ライツを象徴するかのような白熱のバトルが展開された。

 アドバンコーナーの立ち上がりでは、平良がコースサイドに出てしまうなど、両車には走行マナーに関して黒白旗が出るほどのエキサイトした戦いとなる。11周目にはTGRコーナーで平良がふたたびインを突くも、木村がトップを死守した。

 2台はファイナルラップまで白熱した接近戦を展開し、最終コーナーでも平良がインをうかがったが、最後は0.415秒差で木村が平良を振り切り優勝。今季5勝目を飾り、木村は渾身のガッツポーズをみせた。2位は平良、3位はユーズドタイヤでのレースながら小出を防ぎきったトゥルーリとなった。

 小出は4位でフィニッシュ、ビダーレスが5位に。堤をかわしたイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)が6位に食い込んだ。

■レース後にペナルティが

 しかしレース後波乱が。午前10時35分付で、大会競技会事務局は公式通知No.24を発行し、レース後の車両検査結果を発表したが、3位でフィニッシュしたトゥルーリの車番37が最低重量違反により失格となってしまう。

 さらに午前10時55分付で第11戦の暫定結果が発表されたが、トップチェッカーを受けた木村に対しては、シリーズ規則第19条3.(2回以上の進路変更)違反により、2位の平良に対しては第19条3.(走路外走行複数回)違反のペナルティが課され、それぞれ5秒加算。トップ3がすべてペナルティを受けたことで、4位でフィニッシュした小出がスーパーフォーミュラ・ライツ初優勝という結果に変更された。

 また、古谷と接触したビダーレスに対しても第19条4.(危険行為)違反により、競技結果に30秒加算。10位に降着となったため、4位はオオムラ・フラガ、5位は堤、6位は野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)という結果となった。マスタークラスはオープニングラップでトップに立った今田が6周目にDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)とのバトルをみせるも、今田がマスタークラス首位を死守。総合8位で連勝を飾った。