今季開幕大会の専有走行はウエットに。2日間のトップは平良 - superformula lights

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今季開幕大会の専有走行はウエットに。2日間のトップは平良

2023/05/19

平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)

 いよいよ2023年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の開幕ラウンドとなる、第1大会オートポリスのレースウイークがやってきた。2023年は12台がエントリーし、5月18日(木)から行われた専有走行で週末に向けた走行をスタートさせた。

 午前9時45分から行われた走行初日の午前の専有走行1回目。この日のオートポリスは朝から曇天で、ドライコンディションのなかで走行がスタートした。各車とも、スリックタイヤを履きコースインしラップを重ねていったが、開始から15分が経とうかというタイミングで、事前の天気予報よりも早く雨が降りはじめてしまった。

 そのため、各車は一度ピットインしセットアップを変更。ウエットタイヤに履き替えることになった。いち早くコースに戻ったのは木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)で、その後各車も続々とコースイン。ウエットタイヤを履いての走行が行われた。

 途中、開始から45分というところで木村がコースアウトを喫しグラベルにストップしたことから赤旗中断となったが、木村は自走でピットに戻り、その後走行を再開させている。

 午前の専有走行1回目は、最終的にドライのときにニュータイヤを投入した平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が1分40秒402でトップタイム。デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)が1分40秒919で2番手、木村が1分41秒305で3番手につけた。このセッションではB-MAX RACING TEAMの4号車は、走り出しは今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がドライブし、途中で佐々木大樹に交代している。

 インターバルをはさみ午後2時にスタートした専有走行2回目だが、午前よりも雨量が増えており、全車が走り出しからウエットタイヤを履き周回を重ねていった。ただ開始から1時間も過ぎるころになると雨脚はさらに強まり、また時折強い風が吹き、コンディションは悪化。そんななか木村がセクター3でスピンを喫し、一度赤旗が出された。

 そんな木村がこの専有走行2回目では1分52秒613を記録しトップタイムに。2番手には1分52秒965を記録した小出峻(HFDP WITH TODA RACING)、3番手には父である元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリ氏も来日し走行を見守っているエンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京 TOM'S 320)が1分53秒414で続いた。

デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)

■2日目も予報に反し霧と雨が続く

 強い雨に見舞われた5月18日(木)の時点では、5月19日(金)の天候は回復方向にある予想が出ていたが、早朝こそ曇天だったものの、午前9時10分からの専有走行3回目開始を前に、濃い霧が立ちこめはじめてしまった。

 そのため急遽走行時間が変更され、専有走行3回目は午前10時10分からの30分間で行われることになった。雨も降っていたことから4台の車両が走行を見合わせたが、8台が周回。12周をこなした小出が1分50秒767を記録し、このセッションのトップに。トゥルーリが1分52秒284で続き、3番手には1分52秒288を記録したイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)がつけたが、セッション終了間際にクラッシュを喫してしまった。

 午前の専有走行3回目を30分とし、天候回復を期待し午後の専有走行4回目は1時間増の午後零時10分から行われたが、予報に反し雨は強いまま。午前に続きウエットコンディションで、開始から15分を過ぎようかというタイミングで、直前に1分53秒090を記録した小出がセクター3でクラッシュを喫し、リヤを破損。赤旗が出されている。

 さらに走行途中からは雨量も増えたことから、2時間30分の専有走行4回目では途中一台も走行しない時間帯も。ただ終盤にはふたたび走行が始まり、最終的に11台がコースイン。小出の1分53秒090がこのセッションのトップタイムとなり、2番手に1分53秒137を記録したビダーレス、3番手には平良がつけた。

木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)

■予選はぶっつけ本番のドライコンディションか

 初日午前のわずかな時間以外、ドライでの走行ができない2日間となってしまったが、「1日目の本当に最初の15分ぐらいがドライの走行でしたが、僕たちTOM'S勢は4台はみんなニュータイヤを履きました。試したいことや身体、コース、タイヤにも慣れる意味もあったので攻めきってはいませんが、好タイムを出すことができました。ただライバルも全開で走ってるわけではないと思うので、勢力図は見えないです」と初日トップタイムの平良は振り返った。

「ウエットの印象をドライに活かすことはなかなか難しいのですが、本当に少しのデータでも自分のヒントにしていかないと良いクルマは作れないので、予選の序盤がキーポイントになると思います。結果的にドライでのトップタイムを獲れているので、自信を持ちつつ、予選では全力で命かけてアタックしたいと思います」

 また、2日目で午前、午後ともトップタイムとなった小出は「オートポリスではそこまでテストができていないので、なんとも言えないというのが正直なところです。ただ一度テストした段階での感触は悪くなかったと思っています」という。

「みんなぶっつけ本番の予選になると思いますし、一発を誰が出せるかというシンプルな予選になるのではと思っています。爆発的な走りをみせたいですね」

 そして、初日午後の専有走行2回目でトップだった木村は「ウエットで試したいセットアップがあったのですが、それが良い方向にいってくれたので、レースとは関係ないですが充実した走行になりました。チームとしては大きな収穫があったと思います」という。

「予選は正直、路面もどういう感じなのか分からないですが、まずは自分のアタックをしっかりやれば良いところにいける自信はあります。ここは大好きなサーキットなので不安はありません」

 各ドライバーのコメントにもあるとおり、5月20日(土)の公式予選、第1戦決勝は晴天のドライコンディションとなる天気予報が出ている。ドライでほとんど走れていない状況で、今季初めてのポールポジションを誰が手にするだろうか。

小出峻(HFDP WITH TODA RACING)小出峻(HFDP WITH TODA RACING)