新シーズンをうらなう鈴鹿合同テスト開幕初日は野中誠太がトップタイム - superformula lights

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新シーズンをうらなう鈴鹿合同テスト開幕
初日は野中誠太がトップタイム

2022/12/06

野中誠太(TOM'S)野中誠太(TOM'S)

 9月24日(土)~25日(日)に岡山国際サーキットで幕を閉じた2022年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権。約2ヶ月強のインターバルを経て、いよいよ2023年に向けて動き出した。例年12月に恒例となっている、三重県の鈴鹿サーキットでの合同テストが12月6日(火)にスタートした。

 今回のテストは、コロナ禍に揺れた2年間からの変化を感じさせるような顔ぶれがエントリーした。12月1日(木)に発表されたリストに記載されたのは14台で、20名のドライバーが名を連ねた。そのうち5名は外国人ドライバーで、このテストに先立ち11月21日(月)~22日(火)にはB-MAX RACING TEAMが岡山国際サーキットでテストを実施。4名の外国人ドライバーがステアリングを握っている。

 迎えた12月6日(火)のテスト初日の鈴鹿サーキットは、晴天に恵まれ午前9時45分からセッション1がスタートした。1台の車両をシェアしているドライバーのうち、TOM'Sは37号車に小山美姫、38号車には2020年チャンピオンの宮田莉朋がセットアップ確認のために乗り込んだ。セッション終盤には平良響に交代しアウト~インのみこなしている。また2名のドライバーをエントリーしながらTBNとなっていたTODA RACINGは、2022年FIA-F4チャンピオンの小出峻がドライブした。

 一方、7台もの車両をエントリーしたB-MAX RACING TEAMでは、4号車は今田信宏が、30号車は菅波冬悟がドライブ。12月7日(水)からスタートする全日本スーパーフォーミュラ選手権のテストにもエントリーしているイゴール・フラガが53号車、ラウル・ハイマンが54号車に乗り込み走行を開始した。

 コースオープン後、各車はピットアウト~インを繰り返しながらラップを重ねていくが、序盤から好ペースで走行したのはTOM'S勢。野中誠太、宮田が1分51秒台から50秒台にタイムを挙げていき、これに古谷悠河(TOM'S)、木村偉織(B-MAX RACING TEAM)が1分51秒台で続いていった。

 しばしばコースアウトを喫する車両はあったものの、一度も赤旗中断なく進んだセッション1では、終盤にはニュータイヤを投入する車両が出はじめ、フラガが1分50秒880にタイムアップ。3番手で最初の走行を終えた。最終的に野中の1分50秒476が午前のトップタイム、宮田の1分50秒755が2番手タイムとなった。

宮田莉朋(TOM'S)宮田莉朋(TOM'S)

イゴール・フラガ(B-MAX RACING TEAM)イゴール・フラガ(B-MAX RACING TEAM)

■午後の走行途中に木村偉織がクラッシュ

 2時間15分のインターバルで迎えた初日午後のセッション2は、午前に続き晴天のもとスタートした。TOM'Sは宮田が35号車に乗り換え、セッション途中に野中にふたたび交代。38号車は平良がドライブし、37号車にはロシア人ドライバーのヴラディスラフ・ロムコが乗り込んだ。一方B-MAX RACING TEAMは、54号車に三井優介が乗車した。

 このセッションも序盤から宮田が1分51秒台から50秒台にタイムを縮めていったが、これを上回ってきたのは木村。10周目に1分50秒345を記録しトップに立つ。B-MAX RACING TEAMの外国人勢、小出も午前中からさらにタイムを上げていった。

 そんななか、午後のセッション2開始から1時間が経とうかというタイミングで、アクシデントが発生する。それまでトップタイムだった木村がデグナーカーブひとつめでオーバーラン。アウト側のグラベルで横転してしまう。幸い木村に怪我はなかったが、車体のダメージが大きくその後再コースインすることはできなかった。

 その後はアクシデントなく走行は続けられ、残り10分あたりから各車がニュータイヤでのアタックを展開する。チェッカー間際に今田信宏(B-MAX RACING TEAM)がクラッシュしたため赤旗が出され、そこで走行終了となったが、赤旗の前に多くのドライバーがタイムを上げ、野中が1分50秒292でトップに。この日の総合トップタイムとなった。木村の1分50秒345が2番手タイムで、終盤1分50秒532を記録したフラガが3番手となった。

「下ろしたニュータイヤの数も多かったと思いますし、まわりとのアタックのタイミングも良かったと思うので、トップタイムでしたがそれには満足せず、自分の走りとクルマづくりに集中していました。今回宮田選手も乗ってくれましたし、オフにしかできないこともあるので、明日はさらに速い自分になれるように頑張っていきたいです」と初日を終えた野中は語った。

 すでに野中はTOYOTA GAZOO Racingから2023年のスーパーフォーミュラ・ライツ参戦が決まっているが、「体制がどうなるかは気になるところですが、この時季に発表していただけるのは来季に向けて確実に準備ができるということでもあります。ポジティブにとらえていますし、課題も見えています。今季の小高一斗選手のように一戦一戦落とさないシーズンにしたいです」と新シーズンに向けて抱負を述べた。

「開幕が遅いので準備する期間もたくさんありますし、とにかく引き出しを増やし、レースで安定した結果を残せるように頑張りたいですね」

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権鈴鹿合同テストは12月7日(水)に2日目のセッション3が午前11時から午後1時まで予定されている。初日と異なる顔ぶれの走りも期待されるところだ。

木村偉織(B-MAX RACING TEAM)木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

小出峻(TODA RACING)小出峻(TODA RACING)