第13戦は激しい首位攻防戦を制し野村勇斗が8連勝を飾る - superformula lights

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第13戦は激しい首位攻防戦を制し野村勇斗が8連勝を飾る

2025/09/06

野村勇斗とDRAGON野村勇斗とDRAGON

 9月5日(金)に台風15号の影響で大幅なタイムスケジュールの変更を受けた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第5大会は、一夜明けた9月6日(土)にも午前7時55分から急遽30分間の専有走行2回目が設けられた。

 台風一過の晴天に恵まれたこの日の富士スピードウェイは、レコードライン上はドライとなっていたものの、コース各所に湿った部分が残っている状況。そんななか各車はわずか40分後に迫った第13戦/第14戦の公式予選に向けて最後の調整を進めた。

 序盤から上位陣は1分34秒台のタイムを記録していくなか、終盤にはアタックシミュレーションも行われ、まずはここまで7連勝中の野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が1分33秒529にタイムアップ。佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が1分33秒673で2番手に。3番手には1分33秒704を記録した小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)がつけた。

 併催レースの走行をはさみ、40分後にスタートした第10戦の公式予選ではアウトラップから4〜5周で各車がアタックを展開。ここで野村が1分33秒082を記録しポールポジションを獲得し、小林が1分33秒248で2番手に。佐野は3番手につけることになった。

第13戦 スタート第13戦 スタート

■1周目は目まぐるしい展開に

 公式予選終了から約3時間強のインターバルを経て迎えた第13戦の決勝レースは、この週末最も長い21周で争われた。当初午後1時05分にフォーメーションラップスタート予定だったが、直前に行われた併催レースの走行でバリアの修復が必要となり、20分遅れの午後1時25分に始まった。

 注目のスタートでは、2番手発進の小林が猛然とダッシュしトップでTGRコーナーに。さらにコカ・コーラコーナーからアドバンコーナーにかけての攻防で3番手スタートの佐野がポールポジションスタートの野村をオーバーテイクしていく。しかし、ダンロップコーナーの立ち上がりで佐野と野村がサイド・バイ・サイドになると、前を走っていた小林のリヤと佐野のフロントがわずかにヒット。小林はスピンし最後尾にドロップ、これを避けエスケープゾーンに入った野村が6番手にダウンするなど、浮き沈みが激しいオープニングラップとなった。

 この結果、佐野が1周目をトップで終え、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)が2番手に浮上。さらに古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)が3番手に。三井優介(DELiGHTWORKS)はスタートでホイールスピンが大きく遅れ4番手につけたが、野村が急速に順位を回復。3周目のTGRコーナーでは三井をオーバーテイクし、4番手に浮上した。

 勢いに乗る野村は、5周目に古谷をオーバーテイクし表彰台圏内に戻ってくる。逆に、トップを走っていた佐野には、小林との接触行為に対する5秒のタイムペナルティが課され、さらに小林にも反則スタートのペナルティが課された。

佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)

■セーフティカーで佐野のリードがなくなる

 これで第4大会の第6戦同様、佐野はタイムペナルティの5秒のマージンを稼ぎ出す必要が出てきた。そんななか、野村は2番手のマッソンのテールに喰らいつくと、13周目には野村がついにマッソンをとらえTGRコーナーでオーバーテイク。2番手に浮上した。

 この13周を終えた時点で、トップの佐野と2番手の野村は4.841秒差。14周目、佐野はセクターベストを記録すると、その差を5.116秒に拡大してみせたが、翌周に2台の差は5.089秒差に。2台のタイム差が緊迫していくことになったが、翌周も差はほとんど変わらず、終盤が楽しみな展開となっていった。

 しかし15周目、マスタークラスの清水康弘(GNSY RACING 324)がダンロップコーナーの立ち上がりでトラブルに見舞われストップしてしまったことで、レースはセーフティカーランとなった。これで佐野がなんとか保っていた5秒のリードが失われてしまった。

 20周目にレースはリスタートを迎えるが、2番手の野村はTGRコーナーでトップに立とうと佐野に対し並走していく。ここでコース上でのリードを奪えなかったものの、野村は佐野に対し1.974秒差の2番手でフィニッシュ。これに佐野のタイムペナルティーが加わった結果野村が優勝。これで野村は8連勝を飾ることになった。

 佐野は最終的に5位に。2位はマッソン、3位は古谷となった。4位は三井、6位はザック・デビッド(B-MAX RACING 324)となった。

 マスタークラスは、スタートでDRAGON(TEAM DRAGON 324)がトップに立ったが、僅差の戦いが序盤から展開され、クラスポールポジションスタートの清水が7周目に首位を奪還した。

 しかし、清水は15周目にトラブルで車両を止めてしまう。これでトップには今田が浮上したが、今田には反則スタートにより5秒のタイムペナルティが課されることに。これでDRAGONが第8戦岡山以来の優勝を飾ることになった。