日本フォーミュラスリー協会が2020年からの新シリーズ概要をアナウンス - superformula lights

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日本フォーミュラスリー協会が2020年からの新シリーズ概要をアナウンス

2020/02/28

9月28日(土)、午前11時半から全日本フォーミュラスリー協会による記者会見が開催された。この会見は、来季から始まる「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」に関するもの。松永史郎副会長、田口朋典事務局長に加え、スーパーフォーミュラ・ライツ用のシャシー開発を行ったイタリア・ダラーラ社でダラーラ320のプログラム・マネージャーを務めるマルチェロ・アルフィエリ氏が出席し、新シリーズに関するさらなる具体的な発表が行われた。


この中で、まず松永副会長が語ったのは、新シャシーについて。「今までのF3のコンセプトでもあり、スーパーフォーミュラとも共通する"クイック&ライト"というコンセプトを引き続き踏襲します。そのために、ドライバーの技能向上を促すクルマということで、ダラーラ320を新たなシリーズであるスーパーフォーミュラ・ライツに導入することになりました。このクルマに関しては、HALOやサイドインパクトストラクチャーなどをはじめ、ドライバーの側頭部の保護、スーパーフォーミュラ同様のシートピローというような緩衝材など、ドライバーの安全対策は最善のものが施してあります」。この車両はFIAの技術規則では、2018年のF1の技術規則に準拠したものとなっている。
ダラーラ320は、8月30日にイタリア・ヴァラーノで、ダニエル・ティクトゥムがステアリングを握って、シェイクダウン。100数十kmの走行を経て、日本へと運ばれた。そして、9月25日、26日には最終戦の舞台となる岡山国際サーキットでF3特別スポーツ走行と木曜専有走行で国内初のテストが行われている。今年まで使われていたF317と混走する形のテストだったが、タイムはすでに現行F3のトップタイムと同等。走り初めの段階で、これだけのタイムが出ているということで、松永副会長も"今後が楽しみ"と会見内で述べている。


一方、ダラーラ社のアルフィエリ氏も、「去年の終わりに開発を始めた時の技術的なメインゴールのひとつは、F317に最新の安全規定を盛り込むことでした。それと同時に、現行のF317と同じコンセプトを保つことも目標でした。軽いクルマで、洗練されたエアロダイナミクス、洗練されてスタビリティーの高いサスペンションを持っていることです。とても大きなチャレンジでしたが、結果として最新のF1と同じ安全規定を満たすことができましたし、重量も現行と同じに保つことができました」とニューシャシーについて説明している。

また、松永副会長からは、コスト削減に関しても現在の取り組みが語られた。「具体的には、今年まで8イベントでカレンダーを作成していましたが、来年度からは6イベントにします。レース数は16戦を確保するような形で、現在JAFに申請をしている状況です。ただ、イベント数とレース数が減ることで、マイレージが減っては意味がないので、木曜日からの専有走行などは増やして、今までと同じ走行マイレージは確保できるようにして、ドライバー育成に役立つシリーズとして運営していきたいと考えています」とのこと。その他、チームスタッフ数の抑制による経費抑制、エンジン及びパーツの価格抑制など、コスト削減を推し進める予定だということだ。アルフィエリ氏も、「ギヤボックスやリヤサスペンションなど、F317と共通パーツがあるので、チームはそのパーツをキャリーオーバーでき、コストを抑制することができる」と述べた。また、シリーズは今後、スーパーフォーミュラとの連携という意味でも、ステップアップのための施策のアイデアを出し、それをさらに推し進めていくということだ。
また会見の最後には、田口事務局長から、新シリーズのロゴマークも発表されている。