TOPICS
小高一斗が第17戦を制し8勝目。2022年チャンピオンを決める
迎えた9月25日(日)。4月9〜10日に開幕した全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の2022年シーズンも、いよいよ最後となる第17戦/第18戦が争われる。6ラウンドに渡って争われてきたチャンピオン争いも、この日決着をみることになった。
前日に行われた公式予選では、セカンドベストで第17戦のグリッドが決まったが、各車とも2セット目のニュータイヤでタイムを上げ、チェッカー直前にベストタイムをマークしたあと、セカンドベストを狙いアタックを続けていった。その結果、1分21秒229を記録した木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)がポールポジションを獲得。小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)がフロントロウの2番手につけた。
第16戦を制し、小高との差を縮めた太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)は3番手から第17戦を戦うことに。4番手には菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)、5番手には古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)、6番手には野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)が並んだ。
■スタートで小高がトップを奪う
9月25日(日)、気温22℃と爽やかに晴れ渡った岡山国際サーキットで、午前9時20分から行われた第17戦では、ポールポジションの木村の蹴り出しがやや遅れ、2番手スタートの小高がトップで1コーナーへ入っていく。木村には3番手スタートの太田がアウトから並びかけていくが、木村が2番手を守ろうとモスSからアトウッドカーブ、さらにヘアピンに至るまでサイド・バイ・サイドのバトルを展開していった。
小高を見据えていた太田、一方でスタートの遅れを挽回しようとする木村による一歩も引かない2台のバトルはリボルバーコーナーまで続くが、木村が2番手を死守。1周目は小高がトップ、木村、太田と続くオーダーとなっていく。しかしその後方では、マスタークラスのDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)と今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がサイド・バイ・サイドでヘアピンに進入していき、2台は接触。今田はグラベルにコースアウトを喫し、DRAGONは左フロントにダメージを負ってしまった。
今田の車両がグラベルにストップしてしまったこともあり、セーフティカーが導入された。車両回収後、レースは5周目にリスタートを迎えるが、小高はトップを守ると5〜6周目に連続してファステストラップを記録。1ポイントをもぎ取りにかかる。
しかし2番手の木村は7周目に1分22秒586を記録し、ファステストラップを奪うと、首位の小高の1秒以内につけ、小高にプレッシャーをかけていった。
■ファステストラップの応酬が続くも小高が逃げ切り
トップの2台は緊迫した展開で中盤戦を続けていたが、11周目、小高が1分22秒430とファステストラップを奪還。2台の差はついに1秒以上に広がる。しかし、今度は2台の後方につけていた3番手の太田が12周目に1分22秒321を記録するなど、1ポイントをめぐる息詰まる攻防が続いた。
14周目、今度は木村が1分22秒281を記録。この後はファステストラップを更新する者は現れず、上位争いは膠着。トップをひた走った小高は、最後は0.961秒の差でチェッカー。この結果10ポイントを加算し、3位でチェッカーを受け5ポイントに留まった太田との差を広げ、2022年のチャンピオンを決めることになった。
チェッカー後、小高は長い戦いに決着をつけホッとしたような笑顔をみせる一方、2位の木村は勝ちを収められなかった悔しさをみせた。また3位の太田は悔しさからなかなかヘルメットを脱ぐことができなかったが、「素直におめでとうと伝えたい」と小高を祝福した。
4位は菅波、5位は古谷、6位は平良という結果に。1周目にポジションを上げていたロベルト・メルヒ・ムンタン(B-MAX Racing 320)だったが、セーフティカー中の追い越しがあったとしてドライブスルーペナルティが課され、ピットインした後トラブルがあったかそのままレースを終えることになってしまった。マスタークラスは2台ともにリタイアを喫したことから、ウイナー不在の一戦となっている。