長屋宏和氏 SUPER FORMULA LIGHTS観戦記 2022 Vol.1 - superformula lights

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長屋宏和氏 SUPER FORMULA LIGHTS観戦記 2022 Vol.1

2022/04/29

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権公式ホームページをご覧の皆さんこんにちは。長屋宏和です。第1大会の富士スピードウェイを現地観戦し、第2大会の鈴鹿サーキットはYouTubeチャンネルで観戦しました。僕の目線で今季のスーパーフォーミュラ・ライツを観て感じたことを書かせて頂きます。

◆TOM'SとHFDP WITH TODA RACINGが争うかたち

 シリーズ開幕前の合同テストでは、HFDP WITH TODA RACINGの太田格之進選手が速さをみせ、このまま開幕ラウンドの第1大会では3連勝になると予想していました。それが富士を終えてみるとシリーズトップ3台はトムスが占める形となりました。さすがです。

 しかし開幕戦の順位が第2大会の鈴鹿で定着するというのが例年の流れですが、そこに割って入ったのが、開幕前から好調の太田選手でした。昨年と一昨年のオートポリスではHFDP WITH TODA RACINGが好調で、マシンも決まっているので次戦も注目です。

 今年のSFLもタイム差が僅差で、シリーズランキングを考えると、リタイアや0ポイントなどの取りこぼしを無くし、安定して常に表彰台を獲得し続けたドライバーがシリーズチャンピオンになることが予想されます。第3大会のオートポリスを終えたら、もうシリーズは折り返し。あっという間に今年も終わりそうです(笑)。

 速さをみせている太田選手、合同テストで好調だった木村偉織選手、菅波冬悟選手、平木玲次選手にも注目です。

◆今年からタイヤ使用セット数が変更

 コスト削減とSDGs(持続可能な開発目的)の観点から、昨年までの1イベント3セットのドライタイヤマーキングから、今年から2セットに変更され、ドライタイヤは2セットの中で予選2回、決勝3レースを組み立てる必要があります。第1大会の第3戦の決勝レースでペースが上がらなかった小高一斗選手ですが、このタイヤのマイレージが原因だったのでは……とTOM'Sのレースレポートに記載があり、今後、各チーム、各ドライバーの見えない作戦が繰り広げられそうです。

 予選では順位だけでなく、ピットアウトのタイミング、タイヤを温める周回数、周回数にも注目しながら観ると面白いかもしれないですね。

◆フォーミュラ・リージョナルから初のステップアップ

 これまでSFLへ上がるドライバーはFIA-F4からのステップアップが主流でしたが、古谷悠河選手がフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)を経ての参戦となりました。このケースは初めてで、どのように成長していくか楽しみです。

 古谷選手は2021年のFRJチャンピオン。広島トヨペット古谷英明社長のご子息で、S耐とSFLに参戦。TOM'Sという素晴らしい体制のなか、他の3人のライバルたちと揉まれながら、速いドライバーの良い部分と照らし合わせ、他との経験値の差を短時間で詰めて欲しいです。

 SFLのダウンフォースの大きさが悩みとレポートに記載されており、焦らず、今年は勉強の年、来年チャンピオン争いと計画的に学んでほしいです。雨の鈴鹿で表彰台を獲得したので、オートポリスも期待しています。

◆新たな風

 長年続いたTODA RACINGの赤いカラーリングにホワイトとブルーが追加され、B-Max Racing Teamも木村偉織選手のマシンには、これまでのイエローにレッドとホワイトとブルーが追加され、HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)のトリコロールカラーに変更されました。

 そして、平木湧也選手、平木玲次選手の兄弟で挑むHELM MOTORSPORTSも新規チームでの参戦。この他にも川合孝汰選手、菅波冬悟選手、元嶋成弥選手も初参戦となり、SFLに新たな風を感じました。

 TOM'Sから参戦する2年目の3名との経験の差をどれだけ早く詰められるか、1年目のドライバーやチームの活躍に期待しています。

長屋宏和 HIROKAZU NAGAYA
1979年12月31日生まれ。13歳のときに見たF1日本グランプリに影響され、レーシングドライバーを志す。2002年、TODA RACINGから全日本F3に参戦。同年F1のサポートレースでクラッシュし、頚椎損傷C6の重傷を負うが、必死のリハビリで2004年、ハンドドライブでのレーシングカート走行を果たし、大きな感動を呼んだ。チェアウォーカーとなった後、自身のファッションへのこだわりを活かし、チェアウォーカー向けファッションブランド『Piro Racing』を立ち上げ話題に。2013年人間力大賞グランプリ、内閣総理大臣奨励賞受賞。いまも愛するスーパーフォーミュラ・ライツの現場を訪れるほか、ハンドドライブで自らサーキットを楽しみ、レーシングチームの監督や富士登山へ挑戦する等、今もそのチャレンジングスピリットは消えない。

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