三度のSCランの荒れたレースを小高一斗が制し4勝目 - superformula lights

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三度のSCランの荒れたレースを小高一斗が制し4勝目

2022/06/18

小高一斗と平良響小高一斗と平良響

 6月16日(木)〜17日(金)に行われた専有走行を経て、迎えた6月18日(土)は午前に第10戦/第11戦の公式予選が、午後3時35分から第10戦の決勝レースが行われた。この日は朝から晴天に恵まれたスポーツランドSUGOだが、当初午前11時から予定されていた公式予選は、直前のスーパーフォーミュラのフリー走行で赤旗中断があったことから、10分遅れの午前11時10分にスタートした。

 コース長も短くトラフィックも多い菅生だけに、コースオープン直後は7台がコースインしたものの、太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)、そしてTOM'Sの4台のマシンは開始からしばらくはピットでステイ。タイミングをずらしアタックしていく。

 まずは最初にコースインしていたグループがアタックし、専有走行でトップタイムをマークしていた木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が1分14秒136をマークしトップに躍り出るが、小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)、太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)らがこれを上回り、一度ピットに全車が戻った後、残り7分を切ったあたりから2セット目のニュータイヤで各車がアタックを展開した。

 ここで太田が1分13秒399までタイムを伸ばし、第10戦のポールポジションを獲得。2番手には小高、3番手には野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)がつけることになった。4番手には平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)、5番手には古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)がつけた。

第10戦 スタート第10戦 スタート

■スタート直後から波乱が相次ぐ

 迎えた午後3時35分からの第10戦の決勝レース。やや雲があるなかで迎えたスタートでは、2列目のグリッドに並んでいた3番手の野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)、4番手の平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)がどちらも発進できず、3列目の古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)、菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)の2台がイン側からインをうかがっていく。

 しかし、古谷と菅波は1コーナーで接触。古谷の右リヤタイヤに菅波が乗り上げるかたちとなってしまい、即座にセーフティカーが導入される。古谷は再走を果たしたものの、菅波はアップライトにダメージを負い、ピットにマシンを戻してしまった。

 一方、好スタートを決めていたのは2番手スタートの小高。1コーナーで首位を奪い、2番手には太田、そして3番手にはアウトから古谷と菅波の接触をかわした木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)がつける展開となった。

 レースは1周目から3周目までセーフティカーランとなるが、4周目のリスタート時、ふたたび波乱が起きる。ストレートでインを狙った3番手の木村が、2番手の太田のリヤにヒット。木村がストレートのコンクリートウォールにヒットしてしまった。

 木村は1コーナーのイン側に車両を止めるが、走行していた太田はギヤボックスにダメージを負い、リヤから液体漏れが発生。コース全周に渡ってオイル漏れがあったため、処理のために赤旗中断となった。この赤旗中断の間に太田のマシンはピットに戻され、さらにスタート時の違反で木村、野中にペナルティが課されるなど、レースは大荒れとなっていった。

 長い赤旗中断を経て、レースは午後4時25分にセーフティカーランでリスタートを迎え、2周をここなした後、8周目にリスタートを迎えた。小高は一気に後続を引き離していく一方、2番手の平木玲次と3番手の川合が接近戦を展開していく。

 しかし13周目、SPコーナーで川合はまさかのスローダウン。電気系トラブルが発生したためで、SP立ち上がりでストップ。自身初の表彰台を失ってしまい、この車両回収のためレース3回目のセーフティカーが導入された。

赤旗中断中の様子赤旗中断中の様子

■表彰台争いはファイナルラップまでもつれる

 一方、リスタート後一気にポジションを上げていたのはTOM'S勢。スタートで遅れた平良、さらに古谷がオーバーテイクを繰り返しポジションを回復。4番手につけていた今田信宏(JMS RACING with B-MAX)もかわし、川合のストップにより平良が3番手、さらに古谷が4番手までポジションを戻した。

 19周目のリスタート時、2番手の平木玲次に平良が襲いかかり、1コーナーでオーバーテイク。今度はトップの小高に平良が迫っていく。さらに、平木玲次には古谷が接近していった。2台はバトルを展開するも、22周目の1コーナーでアウトから並びかけた古谷が姿勢を乱しコースアウトを喫してしまった。

 これで平木玲次の3番手は安泰かに思われたが、今度はスタート違反でのドライブスルーペナルティをこなした後、ハイペースで追い上げてきた野中が平木玲次の後に迫っていった。

 最終的にレースは最大時間となる40分が先に来ることになり、25周でチェッカーを迎えることになるが、終盤ファステストラップを出しあうバトルとなった小高と平良は、順位は変わらず小高が優勝。今季4勝目を飾った。2位はスタートの出遅れを挽回した平良で、TOM'Sがワン・ツーを占めた。

 3位争いはファイナルラップまでもつれたが、平木玲次が0.136秒差で野中を抑えきり、HELM MOTORSPORTSに初めての表彰台をもたらした。野中は4位、コースアウト後復帰した古谷が5位に。6位にはマスタークラス優勝となった今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が入り、総合で2回目のポイント獲得を果たしている。

小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)

平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)