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鈴鹿合同テストは3セッションとも野中誠太がトップタイム
12月6日(火)に三重県の鈴鹿サーキットでスタートした全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の合同テストは、12月7日(水)に走行2日目を迎えた。この日は午前11時から行われたセッション3の2時間のみの走行となった。
この日はふたたび顔ぶれが変わり、TOM'Sでは36号車に小山美姫が乗車。37号車には前日に続きヴラディスラフ・ロムコが乗り込んだ。一方B-MAX RACING TEAMでは、4号車には堤優威が、53号車には澤龍之介が乗り込み、前日から引き続き30号車は菅波冬悟が、54号車は三井優介がドライブした。ただ、前日のセッション2でクラッシュした木村偉織車はダメージが大きく、このセッション3には参加できなかったことから、13台での走行となった。
前日よりもやや気温が低く、曇り空のもと行われたセッション3だが、いち早く1分50秒台に突入していったのは、2日目の走行となるデビッド・ヴィダーレス(B-MAX RACING TEAM)。さらに小出峻(TODA RACING)、ヴラディスラフ・ロムコ(TOM'S)らも1分51秒台につけ、素早い適応をみせた。
終盤にはさらにタイムが上がってくることになるが、小出、平良響(TOM'S)が1分50秒台に。また三井、ブライス・アロン(B-MAX RACING TEAM)も1分50秒台に入れてくるなど、テスト2日目を迎えたドライバーたちがタイムを縮めていった。
アクシデント等はなくセッション3は終盤を迎え、ニュータイヤを履いたアタックが展開されていくが、ここでこのテストで初めて1分49秒台に突入したのは野中誠太(TOM'S)。1分49秒896を記録しトップに立った。
これに続いたのは小出で、1分49秒980を記録。2番手で2日間の走行を終えた。平良もタイムを伸ばしたが1分50秒002で、わずかに1分49秒台に届かず3番手となった。4番手はヴィダーレス、5番手はブライス・アロン(B-MAX RACING TEAM)となった。
■ドライバーたちはそれぞれ手ごたえと課題を感じる
2日間すべてのセッションでトップタイムを記録した野中は「昨日とはクルマの作り方を変えてみましたが、良い方向にいかなかったので、最後は戻す方向でアタックをしました。ベースは良いのでドライビングに集中できましたし、幅が広がった2日間だと思います」と振り返った。
「2番手には小出選手がつけていますが、FIA-F4時代の走りを見てもライツでは速いと思っていましたし、経験が少ないなかで鈴鹿でこのタイムを出してくるのは大きな意味があると思っています。僕は僕で、トップタイムでしたがもっとタイム差を広げられるよう、自分のレベルを上げていかないとやられてしまうと思うので、高い意識をもってオフに取り組んでいきたいです」
一方、野中の話にも出た2番手の小出は、スーパーフォーミュラ・ライツは昨年鈴鹿でウエットのなか走行し、岡山でテストをこなした後のドライブだった。「少しずつですがライツへの慣れ、理解はしてきたと思っていたのですが、鈴鹿はこのクルマのポテンシャルを最も引き出せるコースで、今まで走った次元とスピード域が違いすぎて、最初は少し手こずりました。ポテンシャルと自分のドライビングとの乖離が大きくて、初日は驚くばかりでした」と語った。
ただ、そんななかで最後は2番手につけたことで「もちろんトップにいるに越したことはありませんが、このクルマに乗って日が浅いなかでの2番手は、今の自分にとっては良いことだと思います。まだ上がいるという証明でもあり、戦えないわけではないという証明でもあると思います。オフをポジティブに過ごせると思います」と手ごたえを感じているようだった。
そして3番手につけたのは平良。「初日は野中選手がトップタイムでしたが、昨日から4台のいろいろな良いところ、悪いところを学んでいき、今日活かすことができました。かなり完璧……というところまできたのですが、それでもコンマ1秒足りないんです。恥ずかしいんですが、それがどこか分からない状況です」と振り返った。
「2023年は自分のなかでラストシーズンだと考えているので、オフは時間もあるので、足りないところをいろいろとテストしていきたいと思っています」
スーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストは2日間の日程を終え、来季に向け、さまざまな可能性を感じさせることになった。