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今季の幕開けを告げる鈴鹿合同テストがスタート
野中が首位発進
2022年12月に行われた合同テストから約3ヶ月。いよいよ2023年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の始まりを告げる合同テストが、3月7日(火)から三重県の鈴鹿サーキットでスタートした。この日は全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テスト2日目が行われており、そのセッション3と4のインターバルにあたる午後零時45分から、スーパーフォーミュラ・ライツの合同テスト1回目が2時間行われた。
今回の合同テストには、今季のシリーズ参戦を見据える11台13名のドライバーが参加した。チャンピオンチームであるTOM'Sからは2022年同様4台、一方B-MAX RACING TEAMからは5台が参加。マスタークラスの今田信宏は佐々木大樹と、DRAGONは菅波冬悟とシートをシェア。またTODA RACINGからは小出峻、Rn-Sportsからは堤優威が参加している。なお、TOM'Sはチームから発表されているエントリーの車番と異なり、平良響が36号車、古谷悠河が38号車をドライブした。
春を感じさせる陽気ながら、やや風があるなかでスタートした1回目の走行では、4号車を佐々木が、30号車を菅波がドライブ。開始から1時間までの間に、全車が1分53秒台〜54秒台に入っていった。なかでも、鈴鹿での2回目のスーパーフォーミュラ・ライツテスト参加となったデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING TEAM)がいち早く1分53秒231というタイムを記録しトップに立った。
ただビダーレスはその後車両を破損し8周の走行に留まってしまう。一方で、このタイムは野中誠太(TOM'S)、さらに開始から1時間を過ぎた頃には、木村偉織(B-MAX RACING TEAM)が更新。木村は1分52秒315を記録し、この時点でただひとり1分52秒台に入った。その後も各車はラップを重ね、残り13分ほどのタイミングからタイムを伸ばしていった。
まずは野中が1分51秒884にタイムアップを果たすと、平良響(TOM'S)も1分52秒100へ。また合同テスト初参加となったエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)が1分52秒480へタイムを上げ4番手につけるなど、TOM'S勢がタイムを上げていった。またチェッカー間際には、小出も1分52秒365までタイムを縮めている。
最終的に、トップタイムは野中の1分51秒884に。2番手に平良の1分52秒100、3番手には木村が1分52秒315で続いた。4番手は小出、5番手にトゥルーリというトップ5となった。
■2023年からの新コントロールタイヤの評価は
今回のテストは、2023年から採用されるハンコックのコントロールタイヤを使用しての初めてのものとなった。すでに各チームには1セット配布されており、装着して走行したチームもあるが、鈴鹿での走行について、トップタイムを記録した野中は「昨年までと大きく違うわけではありませんが、グリップのレベルに違いがあります。今日いろいろなことを試し、昨年までのイメージを繋げながらクルマづくりをしています」と語った。
2日目に向けて野中は「今日はトップタイムでしたが、最後のアタックでもミスをしてしまったので、まだまだクルマのポテンシャルは引き出せていないと感じています。昨年までのタイヤのイメージもまだありますし、今日いろいろなものを試したなかで良いものを繋げ、クルマづくりとドライビングのアジャストをしていきたいと思います」と語っている。
一方、2番手の平良は「まったく違いますね。グリップのレベルの違いがあるので、そこにアジャストするようにしています。もちろんみんなやっていると思いますし、TOM'Sも4台体制なので、いろいろなことを模索しています」と今季のタイヤの違いを語った。
また平良は昨年までと異なるクルマをドライブしたが、この違いも感じているという。ただそんななかでの2番手に「良いところ、悪いところを試していたので、タイムを追ってはいませんでした。その中での2番手は良かったと思います」と手ごたえを得ている様子だった。
そして3番手の木村は「他チームは事前にハンコックタイヤをテストしていましたが、僕たちはテストをしていなかったので、新鮮なフィーリングでした。ただ、思ったよりも昨年までとの違いは感じませんでしたね」とタイヤについて評した。
「しかしタイヤの個性の違いには合わせ込みも必要だと感じています。チームもいまデータを分析してくれていますし、明日も引き続きデータを集めていきたいです。自分自身のコンディションも良い状態にあると確認できたので、チームのために何が貢献できるかを考えながら、明日もトライしてきたいです」
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の合同テストは、3月8日(水)に2日目のセッション2/3が行われる。