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雨中の混戦を制した中村仁が第8戦で初優勝を飾る
6月20日(木)から走行が行われた2024年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3大会は、6月23日(日)の第8戦/第9戦の決勝日を迎えた。第8戦は6月22日(土)、晴天のもと気温30度近い暑さのなか公式予選が行われ、1分13秒025を記録したケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が自身初のポールポジションを獲得していた。
2番手につけたのは中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)で、3番手には荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)がつけることに。前日の第7戦でポール・トゥ・ウインを飾った小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)は第8戦は4番手からスタートとなった。
■スタートで中村がトップに浮上
第8戦の決勝日となった6月23日(日)のスポーツランドSUGOは、事前の天気予報のとおり梅雨前線の影響で朝から雨となった。コースコンディションは完全にウエットで、ウォームアップから各車が今季初のウエットレースに向けて入念に準備を進めた。なお、ウエットでの走行は3月12日にモビリティリゾートもてぎで行われた合同テストぶりとなった。
午前9時からのスタート時も細かな雨が降り続いており、レースはセーフティカースタートが選択された。3周のセーフティカーランを経て、4周目にスタートが切られることになったが、直前の馬の背コーナーで12番手の藤原誠(TEAM DRAGON 324)がコースオフ。急遽セーフティカーランが継続された。
6周目、いよいよレースがスタートすることになったが、トップのフレデリックはうまくスタートを決めたものの、3コーナーへのアプローチで姿勢を乱しわずかにコースオフ。この間に中村がトップに浮上する。
フレデリックは荒尾の前でコースに戻り2番手を守ったが、3番手につけた荒尾の背後からは小出が猛プッシュ。数周はテール・トゥ・ノーズの戦いが展開されるものの、荒尾は3番手をキープ。逆に9周目が過ぎるころになると、フレデリックとのギャップを詰めていった。
クリアな視界を活かし、中村は中盤以降大きなリードを築いていくことになるが、終始接近戦が展開されたのがフレデリック、荒尾、小出による2番手争い。フレデリックに対し荒尾はさまざまなラインを選びながらオーバーテイクを狙っていくが、逆に小出も荒尾のテールをうかがっていった。
■3台のバトルは荒尾に軍配
19周のレースだった第8戦だが、セーフティカーランが長かったことから30分という最大延長時間が近づいてしまい、刻一刻とその時間が近づいていった。そんな状況のなか、マシンに若干のトラブルも抱えていたというフレデリックは終始奮闘を続け、荒尾の追撃を許さず。逆に16周目、馬の背で一瞬の隙をついた小出が荒尾のリヤにつくと、荒尾がわずかに姿勢を乱し、小出が2番手に浮上した。
勢いに乗る小出はファイナルラップとなった18周目、馬の背でフレデリックのアウトから並びかけていったが、2台はわずかに接触。もつれるようにコースを外れてしまう。グラベルストップは避けられたが、この間に荒尾が2番手へ。そのままチェッカーを受け自身初の表彰台を獲得した。
そんな争いを後目に、12.107秒ものリードを築いた中村が1周少ない18周のレースを戦い抜き、嬉しいスーパーフォーミュラ・ライツでの初優勝を飾った。2位は荒尾、そしてフレデリックが3位でフィニッシュした。しかしレース後、フレデリックは小出との争いのなかで『危険なドライブ行為』として5秒のタイムペナルティが課され、4位でチェッカーを受けた小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が3位に。4位は荒川麟(B-MAX RACING 324)、フレデリックは5位となった。6位は古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)という結果に。小出はコースに復帰したものの8位となった。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING TEAM)がリードし5連勝を目指したものの、ウエットで速さをみせたDRAGON(TEAM DRAGON 324)が8周目にオーバーテイク。そのまま独走で逃げ切り、今季初優勝を飾った。