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第1戦は小出峻がポール・トゥ・ウイン。チャンピオンを決める
11月28日(木)から行われた3回の専有走行を経て、モビリティリゾートもてぎで行われている全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1大会はいよいよ公式予選、そして第1戦の決勝レースが行われる11月30日(土)を迎えた。
午前9時55分から行われた第1戦の公式予選では、前日の専有走行後に「悔いがないレースにしたい」と語っていた小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が1分43秒085、さらに1分42秒779にタイムアップ。一時は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)がトップに立ったものの、小出が首位を奪い返し、ポールポジションを獲得した。
フロントロウとなる2番手につけたのは小林で、今回藤原誠に代わって13号車TEAM DRAGON 324をドライブしている荒川麟が1分43秒346で3番手につけた。4番手には専有走行から好調だった荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が続き、今田信宏に代わって4号車JMS RACING TEAMをドライブしている菅波冬悟が5番手となった。
一方で、9ポイント差まで詰め寄り最終大会を迎えていた野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)だが、まさかの電気系トラブルに見舞われてしまう。なんとか野中はアタックを行ったものの、専有走行まででみせていた調子からはほど遠く、11番手という予選順位となってしまった。
■野中がグリッドにつけず
この第1大会で最も長丁場の20周で争われた第1戦は、午後1時25分に決勝レースのフォーメーションラップがスタートした。ただ、グリッドまでの間にさらなる波乱が襲った。予選で発生したトラブルの修復作業がコースインに間に合わず、野中がグリッドにもつくことができなかったのだ。
そんな野中を横目に迎えたスタートでは、フロントロウの小出、小林ともに好発進。1コーナーには2台がグリッドどおりの順番で入っていった。これに荒川、荒尾が続いたが、5番手スタートの菅波はスタート直後に大きく順位を落としてしまった。
先頭に立った小出は、2周目にさっそく1分44秒826というその時点でのファステストラップを記録。ただ小林は大きく離されるわけでもなく、序盤は1秒以内のギャップで小出に続いていった。そして3番手争いは荒川の後方から荒尾、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が追走。6番手につけたケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)と古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)が接戦で、2〜3台ほどのパックが中盤形成された。
ただ、もてぎはオーバーテイクがしづらいコース。上位の争いは僅差のまま続いたものの、レース終盤までなかなか順位の変動はなかった。
野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)
■小出がチェッカーまで首位を譲らず
トップを走る小出は、「苦しいレースでした」と終盤に至るまで小林のプレッシャーを受けながらの終盤戦となったが、20周のレースをしっかりと走り切り、最後は1.146秒差でチェッカーを受けた。これで小出は今季7勝目を飾り、結果的に野中がこの第1戦で1周しか走ることができずノーポイントに終わったことから、2024年のチャンピオンを決めることになった。
2位は小林、3位は3台の僅差の争いを制した荒川が続くことに。4位に荒尾、5位に中村、そして6位はフレデリックが入った。
マスタークラスは、クラスポールポジションだった清水康弘(GNSY 324)を1周目の攻防のなかでDRAGON(TEAM DRAGON 324)がオーバーテイク。ただ、清水も離されることはなく、17周目にはサイド・バイ・サイドのバトルも展開された。
2台の争いはファイナルラップまで続くことになったが、最後は要所を抑えたDRAGONが0.427秒差で清水を振り切り、今季7勝目で自らのチャンピオン獲得に華を添えた。