スタート直後に波乱。第1戦は3番手スタートの野中誠太が初優勝 - superformula lights

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スタート直後に波乱。第1戦は3番手スタートの野中誠太が初優勝

2022/04/09

野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)

 2日間に渡って行われた専有走行から一夜明け、迎えた4月9日(土)は午前8時50分から第1戦/第2戦の公式予選がスタートした。朝から美しい富士山が顔を出す快晴に恵まれたが、風が強く前日まで同様難しさを感じさせる公式予選となった。

 コースオープンから、スクラブのみで一度ピットに戻った植田正幸(Rn-sports 320)をのぞき各車がラップを重ね、5周を過ぎたあたりから続々とタイムを刻んでいく中、川合孝汰(Rn-sports 320)がタイムを上げ、1分33秒858をマーク。これに太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)が続いた。

 各車とも一度ピットに戻った後、残り10分というタイミングで再度コースイン。アタックを展開していく中で、川合が1分33秒248までタイムアップ。スーパーフォーミュラ・ライツデビュー戦で、嬉しい初ポールポジションを獲得する。

 2番手につけたのは、2セット目のニュータイヤのアタックでタイムを刻んできた小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)。ただし小高は前日の段階にて、チームからエンジン交換が申請されたことにより、第1戦は5グリッドの降格ペナルティーを受け7番手からスタートする。このため、3番手につけた太田がフロントロウの2番手を獲得。2列目には野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)、木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が並んだ。

第1戦 スタート第1戦 スタート

■1周目のTGRコーナーでアクシデントが

 スーパーフォーミュラの公式予選、N-ONE OWNERS CUPの予選、ピットビューイングを挟んで迎えた第1戦の決勝レース。予選に続き晴天に恵まれるが、風が強いなかで零時30分に第1戦の決勝レースがスタートした。

 今季は7名の新規参戦ドライバーが名を連ねるなか、最前列となった川合、太田ともに初めてのスーパーフォーミュラ・ライツでのスタートとなるが、好発進をみせたのは2番手の太田。川合も発進は良かったが、「路面に“食われて”しまいました。スタート練習はやってはきましたが、ラバーが乗っているストレートでは当然試せていなかった」とその後の加速で太田に並ばれてしまうことに。さらに、3番手から好ダッシュをみせた野中もTGRコーナーで川合のインを突く。

 2コーナーの立ち上がりでは太田がトップ、川合と野中が並びながら加速していくが、ここでクロスラインを狙った川合のフロントが、太田のリヤに接触してしまった。これで太田はギヤボックスにダメージを負ってしまい、マシンを停めざるを得ない状況となってしまった。また、その接触の際、川合は4番手スタートの木村、5番手スタートの平良、グリッド降格で7番手からスタートした小高にもかわされてしまう。

 これでトップには野中、2番手に木村、3番手に平良と続くオーダーに。さらに小高、川合、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)と続くが、2周目のTGRコーナーで古谷はわずかに姿勢を乱しコースオフ。菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が6番手に浮上する。

第1戦 スターティンググリッド第1戦 スターティンググリッド

■野中が上位4台の接近戦を制す

 上位陣のギャップはその後少しずつ広がっていくが、5番手の川合に菅波が接近。バトルをしかけていく。しかし7周目のTGRコーナーでブレーキングした川合のマシンからは大きな白煙が。1周目の太田との接触でダメージを負ったフロントウイングが大きく壊れ、川合はたまらずコースアウト。バイブレーションも発生したことで、ピットにマシンを戻してしまった。これでフロントロウの川合、太田の2台が共に姿を消す波乱の展開となっていった。

 そんな展開を後目に、トップの野中は木村との1秒ほどのギャップを守りながらレースを進めるが、平良、小高も僅差で背後につけていく。また菅波も好ペースでトップ4台に続いていった。また後方では、コースオフから戻った古谷が平木湧也(HELM MOTORSPORTS 320)をかわし7番手に。6番手の平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)にも近づいていった。

 21周という長丁場のレースのなか、後方から木村、さらに平良、小高と僅差で接近していた野中はタイヤをうまくマネージメントしつつ、残り周回が少なくなるとスパート。トップチェッカーを受け、2021年のスポット参戦を経てフル参戦に繋げた2022年開幕戦で初優勝を遂げた。

 2位は木村、3位は平良、僅差の4位が小高、そして5位は菅波という結果に。後方より古谷が迫ってきた平木玲次だったが、最後までポジションを譲らず、チーム初ポイントとなる6位でフィニッシュとなった。

野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)

野中誠太と山田淳監督、河野駿佑データエンジニア野中誠太と山田淳監督、河野駿佑データエンジニア

■マスタークラスは2台が接触

 マスタークラスは、1周目から今田信宏(JMS RACING with B-MAX)とDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)がバトルを展開。4周目のTGRコーナーでは今田がDRAGONをかわすも、翌周にはDRAGONが今田をオーバーテイクするなど、二度三度と順位を入れ替えていった。

 しかし9周目、TGRコーナーでアウトからアプローチした今田のインをDRAGONが突こうとするも、2台は接触。今田はスピン、DRAGONはフロントウイングを破損し、2台ともにピットインを強いられてしまった。

 これでトップに立ったのは植田正幸(Rn-sports 320)。21周の長丁場を走りきり、トップチェッカーを受けマスタークラス開幕戦優勝を飾ってみせた。

今田信宏とDRAGON今田信宏とDRAGON