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荒れた展開を後目に太田格之進が逃げ切り今季2勝目
午後零時29分にフィニッシュした第7戦から3時間ほどのインターバルを経て、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3大会は第8戦の決勝レースを迎えた。5月20日(金)に行われた公式予選では、1セット目のニュータイヤで1分36秒932をマークした太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)が第7戦に続きダブルポールポジションを獲得していた。
第7戦と異なるのは2番手以下。菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)が初めてのフロントロウスタートとなり、3番手に第7戦ウイナーの木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)、4番手にはスタートを得意とする平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)がつけていた。
■オープニングラップに混乱が
全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の公式予選の後、5月21日(土)午後4時15分にフォーメーションラップがスタートした第7戦。スーパーフォーミュラの予選の頃から日射しが出はじめ、好天の下、路面温度が上昇するなかでレースの火ぶたが切られた。
スタートでは、太田がスタートを決めトップへ1コーナーへ。同じく好発進を決めた菅波はわずかに太田に届かず、2番手で1コーナーに入っていった。一方その後方では、アウトにポジションをとった平良がアウトから木村に仕掛けていく。平良はわずかにダートに出たが、すぐにコースに戻った。
しかしその直後、2コーナーから4コーナーにかけて波乱が起きる。2コーナー立ち上がりで、「1コーナーで早くトラクションをかけ、3コーナーでもう一度勝負権を作りたいと思い、ギリギリまでスリップを使おうと思ったのですが、こちらの方が加速が良く、抜けようと思ったのですが……」と菅波が太田のリヤにヒットしてしまい、フロントウイングを破損。パーツが飛んでしまう。「いちばんのチャンスだったのにミスをしてしまった。悔しいです」と菅波。
さらに3コーナー立ち上がりでは、木村と平良が競り合うなかで、アウト側にいた木村がわずかにコースオフ。すぐに戻ったが、続く4コーナーでアウトにいた平良と接触。平良はコースアウトを喫し、バリアにクラッシュした。
さらにその背後では、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)と5番手を競り合っていた小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)もダートに。小高はスピンを喫してしまう。平良のクラッシュにより、レースはすぐにセーフティカーランとなった。
混乱のなか、菅波はピットに戻りフロントウイングを交換。また小高もコースに復帰する。上位争いでは、太田がリード、木村、古谷、7番手スタートの野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)、川合孝汰(Rn-sports 320)と続いていた。
しかしセーフティカーラン明け、菅波は再度ピットに。また、最後尾からジャンプアップをみせていた川合だが、リスタート時にエンジントラブルが発生。ピットに戻ってしまう。これで5番手に平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)、6番手に平木湧也(HELM MOTORSPORTS 320)が浮上することになった。
■レースはペナルティが多発
レースは3周目にリスタートを迎え太田、木村、古谷というオーダーで進むが、混乱を後目にリスタートを決めた太田が、少しずつ木村とのギャップを広げていく。ただ、そんななかタイミングモニターにはペナルティの表示が出る。
クラッシュした平良、さらにスタート直前にわずかに動いてしまった木村、そしてマスタークラスの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)に、スタート違反があったとして30秒加算のペナルティが課されたのだ。今田はその段階ですでにスタート進行時のホワイトラインカットのペナルティが課されており、二度目のペナルティとなった。
そんな混乱を後目に、トップでチェッカーを受けた太田は今季2勝目を飾り、ランキング首位をキープ。2位は古谷、3位は野中という結果となった。木村はレース後、平良との接触でさらに30秒加算のペナルティが課されている。
4位は平木玲次で、自己最高位を更新。5位は平木湧也が入り、初入賞となった。6位はスピン後追い上げをみせた小高が入り、1ポイントをもぎとった。マスタークラスはDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)が優勝を飾っている。