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2023年ドライバーズチャンピオンコメント 木村偉織
木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)
嬉しいです。それだけですね。
チェッカーを受けた後は、2年間スーパーフォーミュラ・ライツに参戦させていただくなかで、Hondaさん、B-MAX RACING TEAMさん、エンジニアさん、Spiessさん、スポンサーさんなど、本当にお世話になった皆さんの全員の顔が思い浮かびました。
この第6大会はポールポジションを2回獲り、3連勝するしかチャンピオンの芽がないと思っていたので、そこしか考えていませんでした。チャンピオンを獲るために今年開幕戦から頑張ってきて、一年間最終大会を迎えるまで、思い残すことがないようにやりたいという気持ちがありました。今週もてぎに入るまでにやり切った気持ちもあったので、金曜はウエットになって走れず、流れがつかみにくい中でも、自分が何をしなければいけないか常に気持ちをぶらさず、最後まで集中し続けました。
2年間スーパーフォーミュラ・ライツに参戦しましたが、辛かったのはやはり1年目でした。自分のレースキャリアの中でも、いちばん何をやってもうまく噛み合わない年だったかもしれません。専有走行までは常にトップを獲っていたのに、予選では5〜6番手に沈んでしまって、自分でもなぜか分からず、苦しい1年目でした。
その点では、2年目になってアドバイザーとして武藤英紀さんに来ていただいたりと、Hondaさんのおかげで強力なバックアップを作ってくれましたし、B-MAX RACING TEAMさんもチーム全体が一体になりレースができたと思います。『チャンピオンを獲りにいく』という思いがどのチームよりも強かったと思っています。
チャンピオン獲得を確信することができたのは、第18戦のチェッカーを受ける瞬間だったかもしれません。それまでは本当に大丈夫なのかと思っていました。チームは第17戦が終わった時点で『記念撮影どうする?』とか会話をしていて、チラホラと耳に入ってくるんです(苦笑)。そうなると、あとは『僕がやらかしたらこの話もなくなるよな』と逆にプレッシャーになって、本当にチェッカーを受けるまではドキドキしていました。
自分はこれまでずっと、海外でレースがしたいという思いがあって、レーシングカートから戦ってきました。HRS(Honda・レーシングスクール・鈴鹿)に入ったのも国内のトップカテゴリーはもちろんですが、F1やTCR、インディカーやIMSAなど、Hondaさんが幅広くレースをされているメーカーだったからでした。だから、最終的には海外で速い、『日本人ナメるなよ』という気持ちをみせたいと思っています。
来シーズンに向けての希望は正直いろいろありますが、用意していただいたシートのなかで最高の結果を出すだけだと思うので、そこに集中していきたいです。
ここまでサポートしていただいたHondaさん、B-MAX RACING TEAMさん、スポンサーさん、ファンの皆さんのおかげで獲れたチャンピオンだと思っています。自分ひとりだけではこの場に来ることはできなかったと思いますし、チャンピオントロフィーを掲げて表彰台に立つことはできなかったと思います。
チャンピオントロフィーは実際にも重いのですが、多くの人たちの思いが詰まった重さだと感じています。たくさんの支えてくださった皆さんに『ありがとうございます』と言いたいです。