富士合同テストはTOM'S勢が速さをみせる。野中が総合トップタイム - superformula lights

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富士合同テストはTOM'S勢が速さをみせる。野中が総合トップタイム

2024/03/27

野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)

 3月26日(火)〜27日(水)の2日間、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第2回合同テストが静岡県の富士スピードウェイで行われた。走行1日目の3月26日(火)に予定されていたセッション1は終日降り続いた強い雨のためキャンセルになってしまったものの、走行2日目となる3月27日(水)は晴天に恵まれ、2時間ずつのセッション2/セッション3で各車が開幕に向けて精力的にラップをこなした。

 栃木県のモビリティリゾートもてぎで3月11日(月)〜12日(火)に行われた第1回合同テストに続き、舞台を富士スピードウェイに移して行われた開幕前最後の第2回合同テスト。その走行初日は3月26日(火)午後1時30分から2時間のセッション1が予定されていたものの、この日は強い雨が降り続き、走行はキャンセルとなってしまった。

 ただ2日目の3月27日(水)は快晴となり、午前9時からのセッション2はコース上にやや湿った部分が残っていたが、ドライコンディションで迎えた。今回はもてぎ合同テスト同様11台が参加していたが、コースオープン直後は藤原誠(TEAM DRAGON 324)の13号車を2023年スーパーフォーミュラ・ライツ王者の木村偉織がドライブ。またセッション途中にはDRAGON(TEAM DRAGON 324)の30号車に菅波冬悟が乗り込んでいる。

 午前のセッション1は晴天のもと路面も乾き、順調に進められていたが、開始から1時間39分というタイミングで、木村から交代した藤原がダンロップコーナーでストップ。この車両回収のため、一度赤旗が提示されている。

 終盤、残り10分を切ると野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が1分32秒761にタイムを上げるが、直後小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が1分32秒712へ。そのままトップでセッション2を終えることになった。

 2番手は野中、終盤タイムを上げた中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が1分32秒827を記録し3番手に。TOM'Sの3人だけが1分32秒台を記録した。木村偉織の1分33秒070がそのまま4番手タイムとして残り、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が5番手につけた。

荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)

小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)

■午後は野中がトップに。荒尾が続く

 午後1時20分からスタートしたセッション3は、雲が増え時折肌寒さを感じるなかでの走行となった。午前に続き各車ともアウト〜インを繰り返しながら走行を進めていったが、30号車は菅波から走行を開始。DRAGONは終盤5周のみをこなした。藤原は午後はひとりで走行しており、合計12名がコースインしている。

 そんなセッション3は、いち早く中村が1分32秒969を記録し、ただひとり1分32秒に入れていたが、終盤にはふたたびアタックが行われ、各車がタイムを上げていった。ここで小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)がトラブルのためコースサイドに車両を止めることになるも、赤旗中断はなくセッションはチェッカーを迎えたが、その間際に1分32秒648までタイムを縮めたのが野中で、この日の総合トップタイムを記録しセッション3を締めくくった。

「昨日キャンセルになった分、今日はドライで集中して取り組むことができましたが、僕たちは富士で一度テストをしていたので、そのデータをもとに試すメニューがしっかり決まっていました。今日はひとつひとつ積み重ね、最後にしっかりタイムアップもできたと思います」と野中は合同テストを振り返った。

「まわりにトラブルがあったり、まだ勢力図が見えていないところはありますが、僕は今年しっかりチャンピオンを獲らなければならないと意識を高くもっているので、開幕から優勝という結果を残し、取りこぼしがないようなシーズンにしていきたいと思います」

 一方、2番手につけたのはルーキーの荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)。午前のセッション2こそ「走り出しは良かったですが、路面が良くなるにつれてバランスが悪くなり苦戦していました」というが、午後はセットアップ変更を行い、クリアラップが取れなかったものの1分32秒797を記録した。

「他のドライバーがどういうラップだったのか分かりませんが、自分としては満足いくラップができたと思います。もてぎでも良い感触がありましたが、改善するところも見つかりました。開幕は気温も上がり難しくなると思いますが、今日のように調子を取り戻すこともできたので、問題なく開幕を迎えられると思います」と荒尾。

 この富士ではTOM'S勢が速さをみせたが、荒尾や小林、中村などルーキーの速さもあり、野中の言うとおりまだ開幕の勢力図は見えづらい。いったい誰が開幕ダッシュを決めるか、4月27日(土)〜28日(日)にモビリティリゾートもてぎで迎える2024年の開幕大会は注目だろう。

中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)