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最終大会の専有走行は小出峻がトップタイム
5月にオートポリスで開幕した2024年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は、いよいよシーズン最終大会を迎えた。舞台は、当初4月27〜28日に開催予定だった第1大会のモビリティリゾートもてぎだ。シリーズはこれまで5大会を終え、チャンピオン争いも大詰め。小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が85ポイントでリードするが、第6大会鈴鹿で大きくポイント差を縮めた野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が9ポイント差で迫る。また小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が23ポイント差でまだその権利を残している。
そんな第1大会は、エントリーリストに変化がみられた。マスタークラスでチャンピオンを争っていた今田信宏(JMS RACING TEAM)、そして藤原誠(TEAM DRAGON 324)が欠場。自動的に今シーズンのマスタークラスはDRAGON(TEAM DRAGON 324)がチャンピオンを決めることになった。ふたりに代わり、今田の4号車には菅波冬悟が、藤原の13号車には荒川麟が乗り込むことになり、マスタークラスはDRAGONと清水康弘(GNSY 324)の2台で争われる。
迎えた第1大会の専有走行は、11月28日(木)午後1時から1回目がスタートした。11月末ながら暖かさが残るコンディションのもと、コースオープンから各車がセットアップを進めていくものの、開始から45分というタイミングで、小出がヘアピンカーブ立ち上がりでスローダウン。ダウンヒルストレートのコース脇に車両を止めてしまった。
これは駆動系のトラブルによるもので、その後小出は1時間40分以上貴重な走行時間を失ってしまった。その後、専有走行1回目は開始から1時間50分というところでもコースアウト車両が発生したため赤旗が出されている。
多い車両では50周を走るなど精力的に走行が重ねられた専有走行1回目では、第6大会の鈴鹿から好調を維持する荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が終盤1分43秒530を記録しトップに。2番手には逆転タイトルを狙う野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が続き、シリーズ復帰の荒川麟(TEAM DRAGON 324)がつけた。なお、小出は修復が間に合い、セッション終盤に再度コースインしている。
■2日目は荒尾、小出がそれぞれトップタイム
走行2日目となる11月29日(金)は、午前9時から専有走行2回目が行われた。この日のもてぎはほとんど雲がない澄み切った青空となった。小出の車両もこの日はコースオープンとともに走行を進めている。
そんななか、開始から36分というところで伊東黎明(LMcorsa OTG 320)がコースアウトを喫し、ヘアピンのアウト側のグラベルに車両を止めてしまったことから、この日最初の赤旗中断となった。伊東はその後ピットに戻り、再度コースインを果たしている。
この専有走行2回目でも、荒尾が好調で1分43秒369を記録しトップタイムに。小出は1分43秒401で2番手、野中が1分43秒522で3番手に続いた。この専有走行2回目ではトップ9が1秒差につけており、僅差の争いとなっている。
午前に続き晴天のもと行われたが、気温が低下するなか午後1時30分からスタートした専有走行3回目。これが週末最後の走行ということもあり、各車ともロングランを中心としながらラップを重ねていたが、開始からちょうど30分過ぎに、V字コーナーイン側で菅波がトラブルでコース脇にストップ。一度赤旗が提示された。
その後、セッション終盤10分を切ったところからアタックシミュレーションが行われていくが、ここで小出が1分42秒994までタイムを縮め、3回目の専有走行をトップで終えた。2番手には1分43秒355を記録した荒尾、この週末常に上位につけている古谷が1分43秒374で3番手に。そして野中は1分43秒775というベストタイムで、4番手でセッションを終えた。
野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)
■タイトル争いのふたりは平常心
専有走行1回目こそトラブルがあったものの、最後はトップタイムで終えることになった小出は「専有走行の最後は良いかたちで終えられたと思いますし、2年間のスーパーフォーミュラ・ライツ、そして今年1年間やってきての集大成と呼べる専有走行にできたと思っています」と語った。
「もちろん1回目でストップしてしまったところはありますが、最終的にトップで終えられたことはチームのおかげですし、強みだと思っています。僕はチームを信頼していますし、良い結果で終えることができました」
ポイントリーダーで迎える最終大会に向けて、小出は「悔いのないレースにします。結果がどうなろうと、今までのキャリアのなかで『いちばん良いレースだった』と言える週末にしたいですね」と意気込みを語った。
一方、ランキング2位の野中は「悪い位置ではないと思いますし、スピードは安定しています。細かい部分まで調整ができていると思いますし、明日は気負わず、いつもどおりに臨みたいと思っています」とリラックスした様子をみせた。
また、専有走行3回目こそ2番手だったものの、1回目、2回目でトップタイムだった荒尾は「調子は良いと思いますが、最後の小出選手のタイムは抜けてましたね。ただ予選日の朝はまた気温も下がると思うので、順位が変わると思いますし、自分たちも改善していきたいと思います。もちろんチャンピオン争いもありますが、そのメンバーは関係なく、僕はとにかく勝ちを狙いにいきたいと思っています」と今シーズン最後の予選、決勝に向けて意気込んだ。
それぞれの思惑をはらみながら迎える第1大会。第1戦/第2戦の公式予選は11月30日(土)の午前9時55分から、第1戦の決勝レースは午後1時20分から行われる。