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富士で合同テストがスタート
ルーキーでは三宅淳詞が午後にトップタイム
12月19日(土)〜20日(日)に富士スピードウェイで開催された2020年 REBELLION 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第15戦/第16戦/第17戦を終え、シリーズは12月21日(日)、早くも2021年に向けて動き出した。12月21日(月)から、富士を舞台に2日間3セッションの合同テストがスタートしたのだ。
今回エントリーしたのは、9台12名のドライバー。ただ、第17戦を終えトラブルが起きたマシンもあり、B-MAX ENGINEERINGの13号車が出走を取り消し、30号車が13号車として出走。もともと30号車に登録されていた藤波清斗はエントリーを取り消した。
迎えた12月21日(月)は午前9時から2時間の走行がスタートした。カローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sは、序盤36号車がピットでトラブルの修復を行い、2020年チャンピオンの宮田莉朋は37号車に搭乗してコースイン。終盤になって小高一斗が36号車でドライブを開始し、37号車は宮田から平良響に交代している。
一方、TODA RACINGの2号車には佐藤蓮が、ルーニースポーツの10号車には三宅淳詞、B-MAX ENGINEERINGの13号車には平木玲次、B-MAX RACING TEAMの50号車には金丸悠が乗り込んでいる。
また、B-MAX RACING TEAMの51号車には佐々木大樹が乗りこみ走行をスタートさせ、途中で今田信宏に交代。RS FINEの35号車は、セッション前半は河野駿佑が乗り、途中から佐藤セルゲイビッチに交代している。
晴天に恵まれ、週末と比べても気温がわずかに高いなかで行われたセッションは序盤から、レギュラードライバーの宮田と河野がタイムを削っていくが、後半に入り積極的に周回を重ねていった三宅淳詞(ルーニースポーツ)が1分33秒026へタイムアップしている。
最終的にトップタイムで走行を終えたのは1分32秒587をマークした宮田。2番手には、終盤に1分32秒754をマークした三宅がつけた。3番手には同様に終盤1分32秒996をマークした金丸となった。金丸は最多の56周をこなしている。
この時季ということもあり、陽が傾きはじめた午後2時からの2セッション目は、午前に続き晴天のなかでスタートした。午前のセッションで車両を痛めていた佐藤蓮(TODA RACING)は修復が完了し、この2回目の走行でも開始からコースイン。またカローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sは36号車に小高、37号車に平良が乗車。RS FINEは佐藤セルゲイビッチからコースインした。
各車ともに思い思いのメニューをこなしていくが、着々とタイムを縮めていったのは三宅。中盤以降は1分32秒台のタイムを並べ、最後は1分32秒595でトップタイムをマーク。このセッションを首位で終えることになった。
2番手は小高、3番手には佐々木大樹(B-MAX RACING TEAM)がつけ、4番手には金丸、5番手には佐藤蓮がつけた。ただし、佐藤蓮は開始から1時間30分ほどというところでセクター2でクラッシュを喫しており、この日唯一の赤旗が提示されている。
ドライバーコメント
■三宅淳詞
(ルーニースポーツ/Car No.10/Spiess A41)
「去年までFIA-F4に出場していて、2020年は皆さんのおかげでGT300やスーパー耐久に出場してはいましたが、僕自身フォーミュラでレースがしたいと。皆さんの助けもあり、ルーニースポーツの植田正幸さんにチャンスをいただきました。クルマは、パワーで言えばGT3カーの方がありますが、こんなハイダウンフォースのクルマは乗ったこともありませんでしたし、非常にクイックでしたね。ダウンフォースの扱い方が難しかったです。最近はABSやトラクションコントロールがあるクルマに乗っていたので、ブレーキングも難しく、戸惑いましたね。
まわりのライバルがどんな状況かは分かりませんが、午前は2番手、午後はトップタイムで終えることができました。ただ、レースの時には1分31秒台も出ているので、まだまだ走りでも改善面があると思います」
■金丸悠
(B-MAX RACING TEAM/Car No.50/Spiess A41)
「スーパーフォーミュラ・ライツになってからのダラーラ320は初めて乗りましたが、事前に聞いてはいたものの、やはり速いですね。コーナリングスピードも比べものにならないですし、場所によっては『SFより速いんじゃないか』というくらいです。以前F3で出ていたときよりも断然速いです。
パワステもついているので、F3の頃に比べれば体力の面では楽ですが、僕自身もひさびさにこのカテゴリーのクルマでしたので、体が少しキツいです(笑)。チームからも“リハビリ”とは言われていましたが、体は少しずつ慣れて来たと思います。明日のセッションが楽しみですね」
■平良響
(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S/Car No.37/TOM'S TAZ31)
「FIA-F4との差がかなりあるので、最初は怖いイメージがありました。ただ、スピードの面はすぐに慣れることができたので、2回目のセッションは安定して走ることができたと思います。今日はシートがあまり合っていない部分もあったのですが、体がキツいですね。もっとトレーニングしないといけないと思っています。タイムについては、ニュータイヤを入れたのですが、そのタイミングで赤旗も出てしまって。思うように伸びなかったのが残念でしたね」
■佐藤セルゲイビッチ
(RS FINE/Car No.35/TOM'S TAZ31)
「首が痛いです(笑)。コカ・コーラ・コーナーやトヨペット100Rコーナーでダウンフォースをすごく感じていますが、『こんなにいけるんだ』と驚きながら、なんとかいってみた感じですね。今日のタイムについてはまとまっていないのですが、セクターベストをまとめれば良いタイムにもなるので、一日目でそれなりのタイムが出そうな感触はありますね」
■佐藤蓮
(TODA RACING/Car No.2/TODA TR-F301)
「このスーパーフォーミュラ・ライツに乗るのは初めてで、ダウンフォースの大きさも今日初めて感じました。ただ最初の感触から思った以上に違和感がなく、すぐに攻めることができました。乗っていて楽しいレーシングカーだな、というのがファーストインプレッションですね。ただ午前は13コーナーで、午後はコカ・コーラ・コーナーで車両にダメージを与えてしまい、残念に思っています」
■平木玲次
(B-MAX ENGINEERING/Car No.13/Spiess A41)
「FIA-F4以上のクルマに乗ったことがなかったので、このスーパーフォーミュラ・ライツが今まででいちばん速いレーシングカーになりますが、驚いたのはやはりコーナリングスピードです。F4とは別次元で、ダラーラ320は空力もすごく、ダウンフォースが強烈にあるので、そこをまだまだ活かし切れていない状況です。ただ、マシンとしてはすごくポテンシャルがあり、ドライバーとしての引き出しも増えそうな感じをもっています。すごく面白いクルマですね。体は今のところ大丈夫です。明日は分かりませんが(笑)」