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全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権
2020年ドライバー部門チャンピオンコメント
宮田莉朋
■2020年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 ドライバーズ部門チャンピオン
(カローラ中京 Kuo TOM'S 320/Car No.36/カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S/TOYOTA TOM'S TAZ31)
「チャンピオンを獲ることができて、本当にホッとしています。毎年『チャンピオンを獲ってこい』と言われるのですが、今年は自信がありませんでした。新型コロナウイルスの影響もあり、テストができていませんでしたから。新しいクルマになって、どういう風に動くのかもまったく分からない状況でしたし、8月の公式テストまで一度も乗れずに過ごしていました。ライバルたちがテストをしているという情報はかなりあったので、昨年よりももっと厳しいシーズンになるんじゃないかと予想していました。特に阪口選手のチームは、海外で速いモトパークと連携をとっているというのも知っていましたから、僕らにはデータがなさすぎると思って、辛いレースが続くだろうと考えていました。
いざ開幕してみると、予想以上に僕らのパフォーマンスが高かったというより、逆に情報の割にまわりと離れていないな、という印象でした。昨年、スーパーフォーミュラのルーキーテストでHALO付きのクルマに乗っていたので、その動きはだいたい想定できていましたから、あとはスーパーフォーミュラ・ライツとSFの違いをしっかりエンジニアに伝えたりしました。そういった部分で、開幕大会のもてぎは順調にフルマークができたなという印象です。ただ、開幕前の不安が払しょくされることは一切なかったです。個人的な見解ですが、カローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sのマシンの良さはメカニカルグリップが高いところで、夏場とかだと良いのですが、冬場だとライバル勢も状況が良くなり、その良い部分のマージンが薄くなっていく印象だったので、カレンダーが変わってこの時期に最終戦を迎えることになり、どんどん自信がなくなっていく一方でした。夏場のレースでいかに取りこぼしをしないかが重要でしたね。
今日の第13戦が終わってリタイアしたところで、『責められるかな』と思っていたら、逆に『珍しいな』と言われて。焦りは感じていないつもりでしたが、気持ちのどこかでシリーズポイントを考えていたのだろうなと思いました。それも大事ですが、勝てばおのずとチャンピオンが獲れるわけですから、第14戦は勝つことだけを意識して臨みました。
来年に向けた気持ちはもちろんあります。今シーズンはダブルヘッダーで2回スーパーフォーミュラに参戦させてもらえましたが、タフなスケジュールの中でセッションのトップタイムを獲ったり、速さを見せることはできたと思います。チャンピオンを獲ったからにはスーパーフォーミュラに上がって、今度はスーパーフォーミュラでチャンピオンを獲れるようになりたいし、世界に行きたい気持ちもあります。自分でももっとアピールして、強くて速いドライバーになっていきたいです」