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鈴鹿合同テスト2日目の午前は平良、午後はビダーレスがトップに
3月7日(火)にスタートした全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の鈴鹿合同テストは、3月8日(水)に2日目のセッション2/3を迎えた。この日は前日吹いていた風もなく春の陽気。晴天のもと、まずは午前9時から2時間のセッション2がスタートした。
このセッション2の走行に参加したのは10台。B-MAX RACING TEAMは初日に続き、30号車を菅波冬悟がドライブ。一方4号車はエンジン載せ替えを行っており、このセッション2には参加しなかった。また1日目にS字でコースアウトを喫したデビッド・ビダーレスは車両修復を済ませコースインしている。
2日目ということもあり、走り出しから1分52秒台〜53秒台のタイムが記録されるなか、各チームともハンコックタイヤに合わせたセットアップなどの作業を行っていたが、木村偉織(B-MAX RACING TEAM)が1分52秒068を記録。さらに鈴鹿での走行2日目となったエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)が1分52秒195で2番手に。さらに小出峻(TODA RACING)が1分52秒405で続いた。
そんななか、セッションが残り10分を切った頃になると、ニュータイヤを装着した車両がコースイン。まずは平良響(TOM'S)が1分51秒852にタイムを縮めるが、このタイミングで大きくタイムを上げたのは平良、さらに小出、菅波のみ。平良の1分51秒852がセッション2のトップタイムとなり、木村、トゥルーリ、小出、古谷悠河(TOM'S)と続くトップ5となった。
「上位は僅差ですが、新しいタイヤになって、みんな同様だと思いますがいろんなことを試しているところです。1月に初めてタイヤを履いたときからはまた印象が違っていますし、ロングランを走ったときにリヤが落ちるところがあるので、そこはまだ走り切れていません」と平良。
「午前はミスもありましたし、そこは実力でもあるので、そういったところをなくしていかないとチャンピオンは難しくなってしまうと思います」
■午後はビダーレスが首位に
4時間のインターバルを経て、午後3時にスタートしたセッション3は、開幕前の最後の走行。午前に続き晴天に恵まれるなか、B-MAX RACING TEAMの4号車も修復が終わり、佐々木大樹から走行を開始。途中で菅波に交代している。またB-MAX RACING TEAMの30号車にはDRAGONが乗り込んだ。
上位陣は1分52秒台に入っていくなか、1分52秒180というタイムを記録しトップに立ったのはビダーレス。2番手には木村、3番手には野中と続いていく。この日は午前からトラブルやアクシデントがまったくないわけではなかったが、赤旗による中断がないままセッションが続いていった。
このセッション3でも残り10分を切ったあたりからタイムを更新するマシンが現れ、ビダーレスが1分51秒939にタイムアップ。平良も1分52秒073、そして小出も1分52秒072にタイムを上げるが、トップタイムには及ばず。ビダーレスが首位で合同テストを締めくくった。
「今回は新しいタイヤだったし、すごく重要なテストになった。だから正しいセットアップを続けていくことに集中したよ。午前は少しクルマにも問題があったけれど、午後はチームの素晴らしい仕事のおかげで問題なく走れたし、タイヤについてもセットアップも理解を深められたと思う。そこでトップタイムを出すことができた」とビダーレス。
「テストでのタイムだけど、重要な結果だったと思うよ。開幕へ照準を合わせていきたいね。僕はコースを知らないし、今季はすべてが初めてだ。ハードワークしてトップを捕まえたいし、勝利を狙っていきたい。簡単ではないけれど、チームと一緒に成し遂げたいね」
また2番手でテストを終えた小出は「ハンコックタイヤを履いての最初のテストとなりましたが、予測よりも昨年までのタイヤとの差はありませんでした。ただ、バランスは異なるのでそこをアジャストしたことで2番手で終えることができました。12月のテストでも2番手だったので、悔しいところはありますが」とテストを振り返った。
「今回の結果を見ても分かるとおり、レースは激戦になると思います。ただ自分はまだ100パーセント自分の手足のようにこのクルマを扱えていないです。まだ開幕までに時間はありますし、チームと協力してセットを詰め、自分もドライビングを詰めて、開幕ダッシュが切られるようにしたいですね」
2日間に渡ったテストでは、ドライバーたちのコメントにもあるとおり、ハンコックの新コントロールタイヤへの適応などさまざまな作業が進められる一方で、上位陣のタイム差は僅差で、今季のシリーズが非常に白熱したものになることを予感させた。
2023年の第1大会は、大分県日田市のオートポリスで5月20〜21日に開催される。