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第4大会の専有走行は不安定な天候に。平良響がトップタイム
2023年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は、いよいよ後半戦の幕開けとなる第4大会を迎えた。スポーツランドSUGOでの第3大会から2週間のインターバルで迎える第4大会の舞台は、静岡県の富士スピードウェイ。例年であればシーズン開幕前にテストも行われていたこのサーキットであるが、今季は合同テストなしで迎えた。
そんな第4大会には、前大会同様12台がエントリーした。第3大会でマスタークラス3連勝を飾った畑享志(A-NeKT with B-MAX 320)に代わり、第7戦で初優勝を飾った菅波冬悟が再びエントリー。マスタークラスはDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)と復帰戦となる今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がエントリーしている。
また、この富士大会の専有走行には、前大会に続き近い将来のシリーズ導入を目指し、よりサスティナブルでローコストなワンメイクエンジンにて開発された新エンジンを搭載したテストカーが登場。今回も高星明誠がステアリングを握った。
迎えた走行初日となる7月13日(木)は午前10時30分から専有走行1回目がスタートしたが、朝から雨が降るコンディション。走行開始時には小雨であった天候は、序盤の走行ではヘビーウエットとなる。そのような中、新エンジン搭載のテストカーは早々に1分47秒187、さらには1分45秒462というタイムを記録した。
セッション終盤には少しずつ雨も収まり始めたが、結果的にレギュラー参戦しているドライバーのなかで専有走行1回目の最速タイムを記録したのは小出峻(HFDP WITH TODA RACING)。1分49秒034というタイムでトップにつけ、ランキング首位の平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が1分49秒301で2番手、エンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京 TOM'S 320)が1分49秒423で3番手につけた。
午後2時20分からスタートした専有走行2回目には雨はほとんど止み、レコードライン上にはほんのわずかに乾いた部分が見えはじめていたが、やはりまだスリックタイヤで走るには厳しい状況。コースインした6台はウエットタイヤでスタートするものの、すぐにコンディションの変化をみることになった。なお、午後はデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)の51号車に佐々木大樹が乗り込んでいる。
開始から1時間ほどの間は、テストカーのみが周回を重ねている状況となるが、乾いた部分が増え始めるとイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)や今田信宏(JMS RACING with B-MAX)、菅波といったところがコースイン、周回を重ねた。
最終的に専有走行2回目は、終盤にベストタイムが更新されることになり、ビダーレス車から終盤今田車に乗り換えた佐々木(JMS RACING with B-MAX)がトップタイム。2番手には菅波、3番手にはオオムラ・フラガがつけた。ただ、終始コンディションは良い状況ではなく、この日は各車ともドライが予想される週末に向けてしっかりと走行を重ねることができなかった。
■2日目は天候が好転。堤、菅波が2〜3番手に
走行2日目を迎えた7月14日(金)も富士スピードウェイはどんよりとした曇り空。前夜に降った雨がなかなか乾かずダンプコンディションのなかで午前9時20分からの専有走行3回目を迎えたが、テストカーを含む10台がまずはコースインを行った。
その後少しずつコンディションが良化していき、全車がコースイン。ラップタイムと周回数も上がっていくことになる。開始から1時間10分を過ぎるころには、木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が1分34秒台へ突入。1分34秒843で現行車のトップに立つ。ただその後、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が1分35秒001、さらに1分34秒825までタイムを伸ばし、木村のタイムを上回った。
セッションが残り10分を切るタイミングにて、各車がニュータイヤでのアタックシミュレーションを展開していくこととなる。ここで各車が続々とタイムアップを行う中、木村が1分34秒637を記録しトップに立ち専有走行3回目の首位となった。2番手は野中、3番手はトゥルーリが続き、4番手にはオオムラ・フラガ、ランキング首位の平良は5番手で終えた。
午後1時30分からスタートした専有走行4回目は、午前に続き曇り空のもとスタート。ようやく完全なドライコンディションとなり、セッション序盤から1分34秒台が記録されていく。最終的にこのセッションは平良が1分34秒604を記録し、2日間を通じた最速でセッションを終えた。
「2日間の専有走行ではその時その時でクルマをしっかり合わせることができたと思います。明日の予選のときのコンディションもどうなるかはまったく分からないので、いろいろな可能性を考え、クルマもドライビングもしっかりと定めていきたいと思います」とトップタイムで終えた平良は専有走行を振り返った。
「後半戦をランキング首位で迎えられるのはメンタルの面でも良いことですし、木村選手より前でゴールしたいです。今日はトップタイムで終えられましたし、ポジティブな専有走行になったと思います」
また、2番手には堤優威(Rn-sports F320)がつけた。「予選はドライだと思いますし、今回タイヤも変わったので、難しいコンディションのときは走らないようにしていました。富士をフォーミュラで走るのはスーパーFJ以来でしたが、すごく良い専有走行になったと思います」と語った。
「ここまで3大会戦ってきましたが、セットアップの方向が違っていました。今回は過去のデータや自分の提案で行った変更がハマって良い方向にこられているので、明日の予選でもドライビングで合わせられるところは合わせて、上位を狙っていきたいです」
3番手には菅波がつけ、非常に興味深いトップ3に。上位陣は僅差で、予選ではわずかな差で順位が変動しそうだ。注目の第10戦/第11戦の公式予選は7月15日(土)の午前8時20分から行われる。