岡山大会の専有走行は小出峻がトップタイム - superformula lights

TOPICS

岡山大会の専有走行は小出峻がトップタイム

2024/09/13

小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)

 7月に行われた第4大会から約2ヶ月。2024年の全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は、第5大会を迎えた。舞台は岡山県の岡山国際サーキット。シーズン後半戦の幕開けとなる一戦だ。そんな一戦に向けて、シリーズには新たなコンペティターが加わった。LM corsaから伊東黎明が参戦することになり、13台がエントリーした。

 週末に向けた走行は9月12日(木)午後3時からスタートすることになったが、この日の岡山国際サーキットは晴天で、昼ごろまで気温30度を超える残暑となっていたものの、午後3時の専有走行1回目を前に、サーキットには雷雲が近づき曇り空となった。コースオープンとともに13台全車がコースインしたが、直後には滝のような雨が降り出してしまった。13台はアウトラップからそのままピットインを強いられることになってしまい、コースはわずか5分でヘビーウエットに。開始11分には周辺で落雷もあったことから、赤旗が提示された。

 激しい雷雨はセッション開始から1時間ほど続いたが、午後4時前後には小康状態に。セッションは大幅にディレイとなり午後4時52分に再開されたが、コース上はウエット。各車ともレインタイヤを履き、西日が差し虹が出るなか、コースオープンを待ちわびたかのように周回を重ねていった。

 なおこのセッションの走行開始直後は、清水康弘車には影山正美が乗り込み、途中で清水に交代。また藤原誠車は前年チャンピオンの木村偉織が乗り込んだ。また今田信宏車には佐々木大樹が乗り込んでいる。

 走行は日没直前の午後6時10分まで続けられたが、終盤にはスリックタイヤを投入する車両も現れ、タイムは1分33秒台から急激に上がっていった。チェッカー周にトップタイムを塗り替えたのはケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)で、1分26秒769までタイムアップ。2番手には木村偉織(TEAM DRAGON 324)、3番手には佐々木大樹(JMS RACING TEAM)がつけた。

専有走行1回目の強雨の様子専有走行1回目の強雨の様子

■走行2日目は暑さが堪える一日に

 明けた9月13日(金)の岡山国際サーキットは、朝から雲があるものの晴天に恵まれ、気温30度を超える蒸し暑さのなか迎えた。コンディションは完全にドライに転じる一方で、暑さがドライバー、チームたちを苦しめることになった。この日から全車とも週末のレースに出場するドライバーたちが乗り込んでいる。

 ドライを待ちわびたかのように午前10時15分からの専有走行で各車は周回を重ねていくことになるが、開始から33分というタイミングで、清水康弘(GNSY 324)が1コーナーの先でストップ。セッションは一時赤旗中断となった。その後は中断なく走行が進み、終盤にはニュータイヤを投入してのアタックも展開された。

 最終的に、1分22秒765で専有走行2回目のトップタイムを記録したのはランキングリーダーの小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)。2番手には終盤タイムを上げた荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が1分23秒359で続いた。3番手には古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が1分23秒761で、4番手には小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が1分23秒773で続いている。

 今回併催となっているTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupの専有走行を経て、午後2時45分から始まった専有走行3回目は、やや雲が増えたものの晴天のなかスタートした。やや暑さは和らいだものの、それでも酷暑のなか、各陣営はロングランを中心にメニューをこなしていった。

 午後は赤旗中断がないままセッションが進んでいったが、終盤には各車が自己ベストを更新。野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が1分23秒305にタイムを上げるも、それまで首位だった小出には届かず。小出自身も1分22秒923にタイムを上げ、再びトップで専有走行を締めくくった。

ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)

■小出が専有走行最速も、読めないレースウイークか

 専有走行1回目、2回目ともにトップタイムを記録した小出は「調子は良いとは思いますが、油断はできませんね。レースは何が起きるか分かりませんし、まだ予選も始まっていないので。レースは蓋を開けてみなければ分かりませんから」と専有走行を振り返った。

「自分としては油断せずに、専有走行を含めてデータを整理して、明日の予選に向けていちばん自分が満足できるかたちで終わることができればと思います」

 2番手につけたのは1分23秒121を記録したフレデリックで、B-MAX RACING TEAM勢がワン・ツー。野中が3番手となった。「今週はライバルが速いですが、自分のなかでもいろいろ試行錯誤して、専有走行の最後で近いレベルに上げられたと思います。そういう意味ではポジティブですね」というのは野中だ。

「予選までにあとわずかな差を“チリツモ”で詰めていきたいと思います。小出選手をあまり意識せず、積み重ねている部分を伸ばしていきたいです」

 また、この専有走行を通じて小出も野中も、コンディション変化への対応が重要になると口にした。「自分が今まで経験したことがないくらいコンディションの変化が大きいです。昨日の雨の影響で、今朝は砂が巻き上がるくらいでした。併催レースが走るたびにコンディションは変化していますし、今日は最後の最後まで変わっていきました。明日はスーパーカート等も走るので、今週は路面の変化を読むレースになるかと思います」と小出。

 野中も「コンディションが併催レースでかなり左右されそうな雰囲気があるので、その点はエンジニアさんと細かくミーティングをしていきたいと思います。また今回は、坪井翔さんが来てくださっているので、いろいろなことを教わって、ベストなパフォーマンスを出せるよう準備していきたいと思います」と語った。

 気温、路面温度、そして路面コンディションの変化がどんな結果をもたらすか。全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第5大会は9月13日(金)は午前10時10分から第13戦/第14戦の公式予選が、午後2時30分から第13戦の決勝レースが行われる。

野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)

中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)