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第16戦は白熱の首位争いを制し野中誠太が今季4勝目を飾る
野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)
2日間3セッションに渡る専有走行を経て、三重県の鈴鹿サーキットで行われている全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6大会は、第16戦/第17戦の公式予選、そして第16戦の決勝レースが行われる11月9日(土)を迎えた。事前には曇り空の天気予報も出ていたが、この日は晴天に恵まれ、午前8時15分から第16戦の公式予選がスタートした。
各車はタイヤをウォームアップさせた後、3〜4周目にアタックラップを展開していくが、ここで1分51秒305を記録した野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が第16戦のポールポジションを獲得した。意外にも野中にとっては、これがスーパーフォーミュラ・ライツでの初ポールとなった。
2番手につけたのは、専有走行から好調だった荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)。古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)が好タイムを記録していたものの、走路外走行によりベストタイムが抹消となってしまい、3番手には中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)がつけることに。ランキング首位の小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)は4番手につけることになった。
■序盤は3番手争い、5番手争いが白熱
第17戦の予選終了後、3時間強のインターバルでコースインが予定されていた第16戦だが、直前にコース上で行われていたパレードの影響でコースインが遅れ、午後0時35分に第16戦決勝のフォーメーションラップがスタートした。
青空のもと迎えたスタートでは、ポールポジションの野中がホールショット。トップで1コーナーに入り、2番手にはややホイールスピンが多かった荒尾が続く。しかし、3番手スタートの中村は加速がやや鈍り、5番手から好ダッシュを決めた小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が3番手に浮上する。
一方、スタートで順位を落としたのは4番手スタートの小出。チームメイトのケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)にも先行を許し、オープニングラップを6番手で終えた。
序盤は野中が一時4秒ほどのリードを築く一方、3番手の小林と中村がクリーンなドッグファイトを展開する。またタイトル争いを考えてもひとつでも順位を上げたい小出がフレデリックに仕掛けるものの、なかなかオーバーテイクのチャンスが訪れない。その間に、最後尾から追い上げをみせてきた古谷が2台に追いつき、5番手争いが激しさを増していった。
野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)
■レース終盤に首位争いが激化
レース中盤以降、小林と中村の3番手争い、フレデリックと小出、古谷による5番手争いは落ち着きをみせはじめたが、今度はトップ争いが白熱しはじめた。一時は4秒ほどのギャップがあったが、10周を過ぎる頃になると、野中のタイヤが厳しくなりはじめ、荒尾がグイグイとその差を縮めていく。
12周目、その差は1.154秒、さらに14周目には0.920秒と縮んでいくが、荒尾もタイヤが厳しくなりはじめ、15周目にはデグナーでわずかにコースアウト。一時はふたたび差が広がった。しかし、今度は「ねじ伏せて走っていた」荒尾が再度スパートし、ファイナルラップは0.473秒というギャップで迎えた。
しかしトップの野中は、最後は「気合で」リードを譲ることなく、0.411秒差で荒尾を下し、ポール・トゥ・ウインで今季4勝目をマーク。小出が6位に終わったことで、29ポイントあった点差を19ポイントまで縮めてみせた。
2位は荒尾で、3位は小林という結果に。中村は4位でフィニッシュした。5位争いは僅差の戦いがファイナルラップまで続けられていたが、フレデリックが5位、小出が6位、古谷が7位でフィニッシュした。
マスタークラスは、スタートでDRAGON(TEAM DRAGON 324)がトップに立っていたものの、クラスポールポジションの清水康弘(GNSY 324)が逆転。清水は好ペースのままリードを広げ、最後はDRAGONに対して11.243秒のマージンを築くことに。嬉しいマスタークラス初優勝を飾った。これで今季マスタークラスに参戦している4人が全員優勝を飾っている。