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第17戦は波乱の展開に。小林利徠斗が2勝目を飾る
小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)
11月7日(木)に開幕した全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6大会もいよいよ最終日。第17戦/第18戦の決勝レースが行われる11月10日(日)を迎えた。この日の鈴鹿サーキットは曇り空となり、前日よりも気温、路面温度が下がる状況で迎えた。
前日の11月9日(土)に行われた第17戦の公式予選では、第16戦の予選を経て、各車がセットアップを変更。第16戦とは上位の顔ぶれがわずかに変わり、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が今季2回目のポールポジションを獲得。第16戦では4番手だった小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)はフロントロウ2番手につけた。
第16戦でキャリア初のスーパーフォーミュラ・ライツでのポールを獲得していた野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)は3番手に。小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が4番手につけていた。
■スタートで順位が大きく変動
朝からスタンドに多くのファンが詰めかけるなか、午前8時20分にフォーメーションラップがスタートした第17戦の決勝レース。迎えたスタートは予想外の展開となった。ポールの中村、2番手の小出と最前列のふたりがやや加速が鈍る一方、抜群のスタートを決めたのは前日同様野中と小林。最前列の2台をかわすと、野中がトップで1コーナーへ。小林、中村と続きTOM'S勢がトップ3を占めていった。
誤算となったのはフロントロウスタートでニュータイヤを投入していた小出。TOM'S勢に前を塞がれるかたちとなってしまう。逆にニュータイヤのメリットを活かしたのは6番手スタートの古谷悠河(Deloitte. HTP TOM’S 320)で、5番手だった荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)をかわし、小出に迫っていった。
序盤、野中が2周目にファステストラップを記録しリードを築いていく一方、小林、中村、小出、古谷、荒尾の5台が一団となって走行していく。そんななか、波乱が起きたのは5周目。古谷が小出をオーバーテイクし4番手に躍り出た。これでTOM'Sがトップ4を独占する。
ただその直後、今度はトップの野中に反則スタートによるペナルティが課された。競技結果に対し10秒加算という判定が下されたが、その時点で野中のリードは3秒。この段階では10秒が加算されるとポイント圏外となってしまう。レース後半、野中がどれほどのリードを築いていけるかに注目が集まった。
■TOM'Sがトップ4を占める
野中の走りに注目が集まるなか、小林と中村の2番手争い、さらに小出と荒尾による5番手争いが終盤に向け白熱する。荒尾は何度も小出に仕掛けていくと、11周目の1コーナーでついに荒尾が小出をオーバーテイクした。
そんなバトルの影響もあったか、12周を終えフィニッシュした時には野中と5番手荒尾との間に10秒以上の差がついていた。野中はトップでチェッカーを受け、小林、中村、古谷と続いていくが、野中は10秒加算の結果4位となった。
優勝は小林で、第11戦富士以来の2勝目。2位は中村、3位は古谷とTOM'S勢が表彰台を独占。さらに4位の野中を含めトップ4を占めることになった。TOM'Sのトップ4独占は2022年第12戦SUGO以来で荒尾が5位、小出が6位となり、小出と野中のポイント差は17に縮まった。
マスタークラスは、序盤藤原誠(TEAM DRAGON 324)がリードするも、4台が一団となってバトルを展開していく。そんななか、4周目にはここ数戦苦戦を強いられていた今田信宏(JMS RACING TEAM)が藤原をオーバーテイク。マスタークラス首位に浮上した。
その後も藤原、DRAGON(TEAM DRAGON 324)、清水康弘(GNSY 324)による激しいバトルが展開されるが、今田はその戦いを後目にリード。終盤、バトルを勝ち抜いたDRAGONが背後に迫るがこれを退け、第7戦SUGO以来となる優勝を飾った。