鈴鹿で合同テストがスタート。初日は卜部和久がトップタイム - superformula lights

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鈴鹿で合同テストがスタート。初日は卜部和久がトップタイム

2025/12/16

卜部和久(TOM'S)卜部和久(TOM'S)

 2025年の最終大会となったモビリティリゾートもてぎでの第6大会から約2週間強。全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は毎年恒例とも言える12月の鈴鹿サーキットでの合同テストで2026年に向けて始動した。今回のテストには14台が参加したが、多くの車両が複数のドライバーでシェアしており、24名のドライバーが参加している。ただ、直前のスーパーフォーミュラのテストでクラッシュした清水康弘が今回は参加を見送り。実際に参加したのは23名となった。

 そんな鈴鹿合同テストは、12月16日(火)の午前9時からセッション1がスタートした。快晴に恵まれたものの気温はこの時期らしく低いままとなっていた。

 セッション1開始時の顔ぶれのうち、今季参戦していたドライバーは今季チャンピオンの野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)、TOM'Sの37号車をドライブした卜部和久(TOM'S)、DELiGHTWORKS RACINGの3号車をドライブした松井啓人(DELiGHTWORKS RACING)、自身の30号車をドライブしたDRAGON(B-MAX RACING TEAM)のみ。FIA-F4/フォーミュラ・リージョナルに参戦していた梅垣清(TOM'S)やフィリップ・ウルガン(B-MAX RACING TEAM)、エヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)、オスカー・ブルツ(TOM'S)といった外国人ドライバーが開始時から乗り込んだ。

 この走行では、開始から50分が近づこうかというタイミングで、佐野雄城(LM corsa)の60号車がデグナーでコースアウト。クラッシュはしなかったが、グラベルにストップし一度目の赤旗が提示された。セッションは午前9時55分に再開されている。

 当初は14名が走行していたセッション1では、B-MAX RACING TEAMの1号車と50号車は両方ともまずは野村がドライブしたが、セッション途中から1号車には佐藤凛太郎(B-MAX RACING TEAM)が、50号車には新原光太郎(B-MAX RACING TEAM)が乗り込んだほか、Buzz Racingの6号車は走行開始時は名取鉄平(Buzz Racing)、途中からKEN ALEX(Buzz Racing)に交代した。

 ただ、午前のセッション1も残り10分に近づこうかという終盤、S字カーブでKEN ALEXがクラッシュ。セッション1は赤旗のまま終了することになった。この時点で1分51秒094を記録していた卜部が午前のトップに。もてぎ大会の木曜にも走行した坪井翔(TOM'S)が2番手に。2026年はスーパーフォーミュラ参戦が決まっている松下信治(DELiGHTWORKS RACING)が1分51秒828で3番手となった。

合同テストセッション1の様子合同テストセッション1の様子

エヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)エヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)

●初めての日本でジルテールがトップタイムを記録

 セッション2は、午後1時30分からスタートした。セッション1の終盤が赤旗のまま終了したことから、5分延長され行われた。このセッションでは、午前の途中からドライブしはじめた佐藤が1号車を、新原が50号車を継続してドライブ。またTOM'Sの38号車には鈴木斗輝哉(TOM'S)が乗り込んでいる。

 ただ一方で、午前にコースアウトがあったLM corsaの60号車はオイルパンを損傷しており、セッション2は走行できなかったほか、開始から11分というタイミングで、S字カーブでブルツがスポンジバリアにクラッシュ。早々に赤旗中断となった。

 午後1時51分にセッションは再開され、しばらく13台が走行を続けていたが、開始から45分過ぎのタイミングで、ジルテールが1分51秒402を記録しトップに。しばらくはジルテールがタイミングモニターのトップを守ったままとなっていた。

 そんな午後のセッション2の終盤には、セッション1で赤旗のため実現しなかったニュータイヤを履いてのアタックも一部が行った。ここでジルテールは1分51秒398までタイムを縮め、初めてのスーパーフォーミュラ・ライツながらいきなりのトップタイムを記録してみせた。

「初めての日本、初めての鈴鹿、そして初めてのスーパーフォーミュラ・ライツで良いパフォーマンスを出すことができて嬉しく思うよ。ロングラン、ショートランともに素晴らしくて、セッションを重ねるごとに良くなっていった。明日も楽しみにしているよ」とジルテール。

「正直、コミュニケーションは不安だったんだけど、チームもみんな親切にしてくれている。良いパフォーマンスを出すために支えてくれているんだ。それに鈴鹿も素晴らしいね。セクター1が特に気に入ったよ」

梅垣清(TOM'S)梅垣清(TOM'S)

新原光太郎(B-MAX RACING TEAM)新原光太郎(B-MAX RACING TEAM)

●多くのドライバーが収穫を得る

 2番手には、このアタックで1分51秒470を記録した梅垣が続き、3番手にはアタックを行わなかったものの、1分51秒510を記録した松下がつけた。午前のトップタイムだった卜部は1分51秒557で4番手に。新原が5番手となった。総合トップタイムは午前に卜部が記録した1分51秒094が最速となった。

「今日はTOM'Sさん、明日はDELiGHTWORKS RACINGさんで乗る機会を与えていただきました。今シーズン一年戦ってきましたが、今日はまったく違うフィーリングだったと感じました。午後はフィーリングが悪いところが強くなってしまいましたが、自分のポテンシャルも示すことができたと思いますし、良い一日でした。良いクルマを用意してくださったTOM'Sさんに感謝しています」と卜部。

 そして午後2番手、総合では3番手につけたのは梅垣。「コーナリングスピードも速く、乗っているときは腕に少しきましたね(笑)。最初はダウンフォース、ターボラグに慣れないところもありましたが、午後に向けて慣れることができました。ドライビングにフォーカスして少しずつタイムを上げられたと思います」と初日を振り返った。

「ヘアピンで少しシフトロックしてしまったので、トップを獲れなかったのは悔しいですが、一日ドライブすることができたので、収穫が多かったです。良いクルマと良いエンジニアのおかげですね」

 まだ全員のシートが確定しているわけではないが、2026年に向けて楽しみなセッションとなったスーパーフォーミュラ・ライツ鈴鹿合同テストの初日。12月17日(水)も午前9時から、午後1時30分からそれぞれセッションが行われる。