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鈴鹿合同テスト2日目はジルテールが最速。TOM'S勢が続く
12月16日(火)に三重県の鈴鹿サーキットで始まった全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権鈴鹿合同テストは、12月17日(水)にテスト2日目を迎えた。この日も鈴鹿サーキットは朝から快晴。風もなく、前日よりも冷え込みが和らぐなか、午前9時からセッション3が始まった。
前日、セッション1でトラブルを抱えてしまったLM corsaの60号車も修復が終わり、この日は2025年のレギュラーだった伊東黎明が朝からステアリングを握り、セッション3途中から熊谷憲太に交代した。またセッション2開始直後にクラッシュしたオスカー・ブルツ(TOM'S)の36号車も修復され開始直後から走行を開始した。
また、初日とは異なる顔ぶれも。TOM'Sの37号車にはアクシャイ・ボーラが乗車。前日37号車をドライブし、総合トップタイムを記録した卜部和久は、2日目はDELiGHTWORKS RACINGの2号車をドライブ。3号車は三井優介が乗り込んだ。また、B-MAX RACING TEAMは、新原光太郎と佐藤凛太郎が前日と車両をスイッチ。新原が1号車を、佐藤が50号車をドライブした。
ドライバーが代わった車両としては、GNSY RACINGの8号車も2日目は三宅淳詞が乗り込んでいるが、この車両は新たなトライも担った。今回、8号車はエンジンのブースト圧を一定時間上げ、オーバーテイクを促進する“P2P(プッシュ・トゥ・パス)”システムを作動させるテストも行った。このシステムはボタンを押すと30秒間20〜25馬力ほどパワーが上がるというもので、将来の導入に向け検討を開始した。
「システムの不具合等含めて確認しましたが、現代のフォーミュラは空力で抜きにくいところもあり、ああいったシステムは大事だと思います。パワーの変化も感じましたし、トラブルもありませんでした」と三宅。
そんなセッション3は、開始から28分というところで、NISSINブレーキヘアピン立ち上がりのコース上でフィリップ・ウグラン(B-MAX RACING TEAM)がストップ。コース上に液体が出ていたこともあり、長い赤旗中断となった。
走行は午前9時52分に再開。その後、開始から1時間15分というところで、佐藤が逆バンクでグラベルにストップしたことから2回目の赤旗が出されたが、佐藤は自走でピットに戻ったことで、すぐに再開された。この頃には、上位陣は1分52秒台から1分51秒台に突入。セッション2でもトップタイムだったエヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)が1分51秒697にタイムアップ。首位につけた。
しかし、終盤にはさらにタイムが更新されていき、梅垣清(TOM'S)が1分51秒633でトップに浮上。さらに鈴木斗輝哉(TOM'S)も1分51秒731を記録し3番手につけたが、最後にふたたびジルテールが1分51秒498を記録し逆転。セッション2に続いてトップで走行を終えた。2番手は1分51秒633を記録した梅垣、3番手は1分51秒731を記録した鈴木に。4番手は三井、5番手には佐藤がつけた。
●午後のセッション4もジルテールがトップタイム
午後1時30分から始まったセッション4は、雲が厚くなるなかでスタートした。2日間のテストの締めくくりとなるセッションだが、この走行ではB-MAX RACING TEAMの1号車は百瀬翔がドライブ。また50号車にはふたたび今季チャンピオンの野村勇斗が乗り込んだ。またLM corsaの60号車は熊谷から伊藤に再度交代している。
序盤から、ここまで好タイムを記録し続けているジルテール、そして野村が1分51秒台に入れる展開となったセッション4だが、開始からちょうど1時間が近づこうかというタイミングで、ここまで好調なテストを進めていた梅垣が逆バンクでコースオフ。一度赤旗中断となった。
その後は大きなタイムの変化はなかったが、終盤には再コースインした梅垣が1分51秒319を記録し2番手に。さらに鈴木がタイムも縮め1分51秒350を記録。3番手でセッションを終えることになった。4番手は野村、5番手には三井がつけた。
「2日間周回を重ねることができましたが、自分のなかでピークグリップの使い方など、トップとの差を縮めなければと思っています。とはいえ、ある程度のフィーリングをつかむことができましたし、良いテストでした。しっかりデータを見直して、次に乗るときにトップを獲れるようにしたいです」と梅垣。
また、3番手につけた鈴木は「このテストの前にスーパーフォーミュラに乗っているので、身体や目は大丈夫でしたが、クルマとタイヤにアジャストするのに時間がかかりましたし、ポテンシャルを発揮できなかったと思います。最後は合わせ込みましたが、SFの後にライツだと難しいです」と語った。
「ちょっと不完全燃焼でしたが、セットアップの変化やピークグリップの変化、ロングランのペースやバランスなど、いろいろなことを確認することができました。まだまだ修正点はありますし、伸びしろはあると思っています」
2026年に向け、今後ドライバーラインアップが決まっていくはずだが、今季最後のテストではさまざまな可能性をもったドライバーたちがスーパーフォーミュラ・ライツを走らせた。2026年はどんなシーズンになるのか、大いに期待を抱かせるテストとなった。

エヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)
梅垣清(TOM'S)
鈴木斗輝哉(TOM'S)










